世界景気の先行き不透明感が重しとなる流れ。欧州や米国、中国で公表された景況感指数はそろって軟調な内容だった。中国で前日公表された6月の財新中国サービス業PMIは53.9となり、市場予想(56.2)以上に前月(57.1)から低下。足もとでは、予想を下回る経済指標の発表が相次いでいる。米中の経済対立も不安視。中国が半導体製造に必要な素材の一部を輸出規制すると発表する中、米商務省の報道官は5日、「中国の規制措置に断固反対する」と表明し、同盟国と対応を協議することを明らかにした。それより先、事情に詳しい複数関係者の話として「バイデン米政権は中国企業を対象に、米国のクラウドサービスの利用を制限する準備を進めているもよう」などと外電で4日に報じられている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国民間ガス供給業者の新奥能源HD(2688/HK)と医療サービス企業の阿里健康信息技術(241/HK)がそろって5.4%安、オンライン医療の京東健康(6618/HK)が5.2%安と下げが目立った。ほか、コンテナ海運大手の東方海外(316/HK)が4.1%安。同社については、第2四半期の売上高が前年同期比で63%減少したことも嫌気されている。
セクター別では、中国不動産が安い。広州富力地産(2777/HK)が5.5%、融創中国HD(1918/HK)が5.1%、合景泰富地産HD(1813/HK)が4.6%、万科企業(2202/HK)が3.4%、雅居楽集団HD(3383/HK)が3.3%ずつ下落した。
マカオ・カジノの銘柄群も売られる。美高梅中国HD(2282/HK)が5.3%安、金沙中国(1928/HK)が4.8%安、永利澳門(1128/HK)が4.7%安、澳門博彩HD(880/HK)が3.8%安で前場取引を終えた。
レストランチェーンや酒造の飲食関連もさえない。九毛九国際HD(9922/HK)が6.5%安、海底撈国際HD(6862/HK)が4.6%安、呷哺呷哺餐飲管理HD(520/HK)が3.4%安、百威亜太HD(1876/HK)が4.6%安、華潤ビールHD(291/HK)が3.9%安と値を下げた。
本土マーケットも続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.53%安の3205.98ポイントで前場取引を終了した。素材株が安い。医薬品株、エネルギー株、食品・酒造株、公益株、海運株、インフラ関連株、金融株なども売られた。半面、ハイテク株の一角は高い。自動車株の一角も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)