中国景気の先行き不安が改めて意識される流れ。直近で公表された経済指標は弱いものが多く、中国景気の回復遅れが鮮明化している。中国当局はこのところ、消費刺激策を相次ぎ発表しているものの、一部からは「景気押し上げ効果は薄い」との声も聞かれた。また、米金利動向や、中国経済政策を見極めたいとするスタンスも買い手控えにつながっている。米国では今週(25~26日)、米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、中国では近く、下半期の政策方針を決定する中央政治局会議が開かれる見通しだ。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、管理サービスやデベロッパーなど本土不動産の下げが目立つ。碧桂園服務HD(6098/HK)が15.5%安、龍湖集団HD(960/HK)が10.0%安、碧桂園HD(2007/HK)が5.8%安で引けた。JPモルガンの最新リポートでは、民営デベロッパーを巡る不透明感が払しょくできていないと指摘。碧桂園服務と碧桂園の投資判断を引き下げた上で、目標株価を大幅に下方修正した。
レアアース・非鉄の銘柄群も安い。江西カン鋒リ業(1772/HK)が5.3%、新疆新キン鉱業(3833/HKが2.7%、金川集団国際資源(2362/HK)が2.4%、中国稀土HD(769/HK)が2.2%ずつ下落した。
スマートフォン部材・組立の銘柄群もさえない。
半面、中国発電セクターはしっかり。中国電力国際発展(2380/HK)が3.0%、華電国際電力(1071/HK)と華能国際電力(902/HK)がそろって2.2%、華潤電力HD(836/HK)が1.8%ずつ上昇した。
一方、本土マーケットは3日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.08%高の3170.30ポイントで前場取引を終了した。医薬品株が高い。通信株、ハイテク株、公益株、空運株、エネルギー株、インフラ関連株の一角なども買われた。半面、不動産株は安い。酒造・食品株、素材株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)