内外の景気懸念が投資家心理を冷やす流れ。格付け大手のフィッチ・レーティングスは1日、米国の長期債格付けを最上級「AAA」から「AA+」に1段階引き下げた。足もとの米経済指標では、7月のISM製造業景況指数が予想ほど改善せず、同月の雇用動態調査(JOLTS)では求人件数が予想を下回っている。中国では1日公表された7月の財新中国製造業PMI(民間による)が49.2に悪化(6月は50.5)し、景況判断の境目となる50を3カ月ぶりに割り込んだ。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、江蘇省拠点の翰森製薬集団(3692/HK)が6.8%安、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が5.1%安、自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)が5.0%安と下げが目立った。
セクター別では、中国の銀行と保険が安い。中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が5.4%、中国建設銀行(939/HK)が3.1%、招商銀行(3968/HK)が2.9%、中国人民財産保険(2328/HK)が4.2%、中国平安保険(2318/HK)が2.8%ずつ下落した。
レストランチェーンなど外食関連もさえない。呷哺呷哺餐飲管理(520/HK)が6.9%安、百勝中国HD(9987/HK)が6.6%安、九毛九国際HD(9922/HK)が5.3%安、海倫司国際HD(9869/HK)が2.6%安で引けた。
半面、中国不動産セクターの一角は物色される。碧桂園服務HD(6098/HK)が18.0%、世茂服務HD(873/HK)が4.1%、融創服務HD(1516/HK)が1.6%、広州富力地産(2777/HK)が1.3%、世茂集団HD(813/HK)が0.9%ずつ上昇した。相次ぐ政策支援の動きを好感。
一方、本土マーケットも続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.89%安の3261.69ポイントで取引を終了した。銀行株が安い。エネルギー株、医薬品株、公益株、酒造株、運輸株、インフラ関連株、軍事関連株、素材株なども売られている。半面、不動産株は高い。証券株、半導体株と自動車株の一角も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)