前日の米株安が重し。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が追加利上げに言及したことで、金融引き締めの長期化懸念が浮上。米長期金利の上昇も逆風となった。また、来週の重要イベントを前に手控えムードも強い。中国では15日に10月の経済指標(小売売上高など)が発表される予定。このほか、米中首脳会談が15日にも実施される見込みと報じられている。さらに来週は、騰訊HD(700/HK)や阿里巴巴集団HD(9988/HK)などテック大手が決算発表を予定している。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、ファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が6.8%安と大きく下落。同社が前日引け後に発表した7~9月期決算は自社予想とほぼ一致したものの、市場では10~12月期の粗利益率ガイダンスが弱い内容だったと受け止められた。ほか中国平安保険(2318/HK)が2.2%安と4日続落。流動性懸念に直面する不動産デベロッパー、碧桂園HD(2007/HK)の買収観測を否定したものの、株価の下落に歯止めがかかっていない。
他の個別銘柄では、華虹半導体(1347/HK)が15.8%下落。
セクター別では、マカオのカジノが軟調。永利澳門(1128/HK)が12.8%安と急落したほか、銀河娯楽集団(27/HK)が6.5%安、金沙中国(1928/HK)が3.5%安で取引を終えた。永利澳門が10日発表した7~9月期決算は赤字が継続している。
半面、華潤電力HD(836/HK)が3.4%の逆行高。上場記念配の実施を発表したことが材料視された。ほか中国神華能源(1088/HK)が0.6%高で引けるなど、石炭株が買われた。
本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.47%安の3038.97ポイントで取引を終了した。不動産株が高い。自動車株、金融株、半導体株なども売られている。半面、家電株は高い。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)