中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。低迷する不動産業界を救済するため、当局は対策を急いでいる。外電は22日、複数関係者の話として、中国政府は不動産デベロッパーの資金調達支援に向けた「ホワイトリスト」の草案を作成した――と報じた。碧桂園HD(2007/HK)や遠洋集団HD(3377/HK)、旭輝(884/HK)などがリスト入りしているという。当局は数日中に最終決定する見通しだ。そのほか、現地メディアは23日、「景気の下支えに向け、中国政府が例年通り、翌年度地方債の前倒し発行を認めるもよう」とも伝えている。米インフレ進行の懸念再燃などで指数は弱含む場面がみられたものの、終盤に入り、買いの勢いを増した。(亜州リサーチ編集部)
中国不動産セクターが急騰。旭輝が48.1%高、遠洋集団HDが31.1%高、碧桂園HDが23.5%高、雅居楽集団HD(3383/HK)が16.9%高、広州富力地産(2777/HK)が13.2%高と値を上げた。上述したように、業界支援策の動きが材料視されている。
中国自動車セクターも高い。中国恒大新能源汽車集団(708/HK)が7.2%、小鵬汽車(9868/HK)が6.5%、北京汽車(1958/HK)が5.2%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が5.1%ずつ上昇した。
そのほか、好決算を公表したハイテク大手に買いが継続。百度集団(9888/HK)が6.8%高で引けた。同社の7~9月期決算は、純損益が黒字に転換している。ハンセン科技(テック)指数は2.2%高と他の指数をアウトパフォームした。
半面、産金セクターはさえない。山東黄金鉱業(1787/HK)が2.5%安、招金鉱業(1818/HK)が2.0%安、中国黄金国際資源(2099/HK)が1.9%安、紫金鉱業集団(2899/HK)が1.1%安で取引を終えた。
一方、本土マーケットは3日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.60%高の3061.86ポイントで取引を終了した。不動産株が高い。自動車株、医薬株、ハイテク株、運輸株、素材株、インフラ関連株なども買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)