投資家の慎重スタンスが継続する流れ。中国経済の先行き不安がくすぶっているほか、米国の長期金利上昇が嫌気されている。インフレ関連の米指標が相次ぎ上振れし、米利下げは先送りされるとの見方が強まる状況だ。香港でも金利上昇圧力が高まると懸念されている。ただ、下値は限定的。中国の金融政策を好感し、指数は小高く推移する場面もみられている。
ハンセン指数の構成銘柄では、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が4.3%安、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が4.1%安、自動車大手の比亜迪(BYD:1211/HK)が3.4%安と下げが目立った。
セクター別では、自動車が安い。上記したBYDのほか、小鵬汽車(9868/HK)が6.8%、蔚来集団(9866/HK)が5.1%、長城汽車(2333/HK)が4.2%ずつ下落した。値下げ競争の激化懸念がくすぶっている。BYDは19日、プラグインハイブリッド車(PHEV)セダン「秦PLUS DM-i 栄耀版」について、最廉価グレードの価格を従来版から2万人民元下げ、7万9800人民元(約170万円)にすることを明らかにした。
スマートフォン部材・組立の銘柄群もさえない。前記した舜宇光学科技のほか、瑞声科技HD(2018/HK)が3.1%安、丘タイ科技(1478/HK)が2.6%安、比亜迪電子(285/HK)が1.4%安、小米集団(1810/HK)が0.9%安で引けた。
半面、中国発電セクターはしっかり。中国電力国際発展(2380/HK)が4.3%高、華電国際電力(1071/HK)が3.8%高、華潤電力HD(836/HK)が3.1%高、華能国際電力(902/HK)が2.4%高とそろって続伸した。配当妙味に着目。
中国不動産セクターの一角も高い。旭輝(884/HK)が7.5%、世茂集団HD(813/HK)が3.3%、越秀地産(123/HK)が2.1%、雅居楽集団HD(3383/HK)が1.4%ずつ上昇した。
一方、本土マーケットは、小幅に5日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.02%高の2911.21ポイントで前場の取引を終了した。銀行株が相場主導。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)