自律反発狙いの買いが先行する流れ。前日のハンセン指数は大きく下げ、約3カ月ぶりの安値水準を切り下げていた。対米ドルの人民元高が進んでいることを好感したほか、中国の経済対策も改めて材料視されている。30日に開かれた中央政治局会議は新味に欠けるとの見方が多かったものの、これから効果が徐々に表れると期待された。会議では、積極的な財政政策と穏健な金融政策を着実に実施し、消費主導で内需を拡大させるなどの方針が決定されている。
一方、寄り付き直後に国家統計局などが発表した製造業購買担当者景気指数(PMI)は、6月の49.5%から7月の49.4%にやや低下した。景況判断の境目となる50を3カ月連続で割り込んでいる。非製造業PMIも低下した。景気懸念がくすぶる半面、当局が景気テコ入れ策を強めるとの思惑も広がっている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が8.4%高、創薬支援の無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が7.7%高、政府系の華潤ビールHD(291/HK)が4.5%高と上げが目立った。無錫薬明康徳新薬開発については、通期業績の強気見通しが引き続き手がかりになっている。
セクター別では、消費関連が高い。
自動車セクターもしっかり。蔚来集団(9866/HK)が5.5%高、浙江零ホウ科技(9863/HK)が4.0%高、理想汽車(2015/HK)が3.6%高、広州汽車集団(2238/HK)が2.1%高で引けた。
中国証券セクターも物色される。中国国際金融(3908/HK)が9.2%高、国聯証券(1456/HK)が8.9%高、中信証券(6030/HK)が8.0%高、広発証券(1776/HK)が6.2%高と値を上げた。
本土マーケットも反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.79%高の2930.80ポイントで前場の取引を終了した。ハイテク株が高い。医薬株、証券株、消費関連株、不動産株、資源株、インフラ関連株、運輸株なども買われた。半面、銀行株は安い。公益株、通信株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)