米株高を好感した買いが先行する流れ。昨夜の米株市場では、過度な米景気懸念が後退し、主要株価指数が軒並み急反発した。中国経済対策に対する期待感も持続。中国の内需不振が懸念される中、当局は追加の景気テコ入れ策を速やかに打ち出すとの見方が広がっている。
一方、寄り付き直後に公表された7月の中国物価統計は、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比0.5%(市場予想は0.3%、前月は0.2%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス0.8%(同マイナス0.9%、同マイナス0.8%)という結果だった。企業活動の目安となるPPIはマイナスが続いたものの、CPIが予想を上回る伸びを示したため、市場の一部からは内需が持ち直しつつあると指摘されている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が6.3%高、アルミ産業の中国宏橋集団(1378/HK)が5.9%高、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が5.7%高と上げが目立った。SMICについては、業績回復の期待が手がかり。同社の4~6月期決算は6割減益だったものの、売上高や粗利益率はガイダンスを上振れた。また、前四半期比では129%増益となっている。
セクター別では、中国の不動産が高い。世茂集団HD(813/HK)が11.4%、合景泰富地産HD(1813/HK)が6.0%、旭輝(884/HK)が5.6%、中国奥園集団(3883/HK)が4.7%、遠洋集団HD(3377/HK)が4.5%ずつ上昇した。
自動車セクターもしっかり。上記した理想汽車のほか、比亜迪(BYD:1211/HK)と蔚来集団(9866/HK)がそろって4.3%高、小鵬汽車(9868/HK)が3.9%高で引けた。
家電やスポーツ用品、食品・飲料など消費セクターも物色される。TCL電子HD(1070/HK)が3.2%高、創維集団(751/HK)が1.9%高、李寧(2331/HK)と安踏体育用品(2020/HK)がそろって2.0%高、中国蒙牛乳業(2319/HK)が2.5%高、統一企業中国HD(220/HK)が2.4%高で前場取引を終えた。
一方、本土マーケットは4日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.12%高の2873.47ポイントで前場の取引を終了した。不動産株が高い。エネルギー株、素材株、ハイテク株、銀行株なども買われた。半面、医薬株は安い。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)