12日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比166.01ポイント(0.97%)高の17274.72ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が48.56ポイント(0.81%)高の6031.11ポイントと反発した。売買代金は504億720万香港ドルとなっている(11日前場は571億7610万香港ドル)。

 自律反発狙いの買いが先行する流れ。前日のハンセン指数が約1カ月ぶりの安値に落ち込むなか、値頃感が着目された。昨夜の米市場で、ナスダック指数が2.2%高と3日続伸したことも好感されている。もっとも、上値は限定的。中国指標の内容が気がかりだ。週末には、8月の各種統計(14日に8月の小売売上高や鉱工業生産など、15日までに金融)がまとめて公表される。様子見ムードも漂った。また、西側諸国による対中圧力の強化も不安材料としてくすぶっている。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、医薬品開発受託機関(CRO)など創薬支援関連の上げが目立つ。無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が7.4%高、薬明生物技術(2269/HK)が5.3%高で引けた。
 ネット関連株も高い。飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が4.0%、動画配信プラットフォーム中国大手のビリビリ(9626/HK)が3.5%、中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ:9988/HK)が2.5%、インターネット検索中国最大手の百度集団(9888/HK)が2.2%ずつ上昇した。
ハンセン科技(テック)指数は1.4%高と他の指数をアウトパフォームしている。
 セメントや鉄鋼など素材セクターもしっかり。安徽海螺水泥(914/HK)が3.2%高、中国西部水泥(2233/HK)が2.4%高、中国建材(3323/HK)が1.5%高、鞍鋼(347/HK)が2.0%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が1.2%高で前場取引を終えた。
 半面、外食関連はさえない。海倫司国際HD(9869/HK)が4.8%、呷哺呷哺餐飲管理HD(520/HK)が3.7%、海底撈国際HD(6862/HK)が1.9%、周黒鴨国際HD(1458/HK)が1.4%ずつ下落した。
 一方、本土マーケットは小幅に続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.05%安の2720.40ポイントで前場の取引を終了した。消費関連株が安い。素材株、医薬株、保険・証券株、メディア関連株なども売られた。半面、不動産株は高い。銀行株、エネルギー株、公益株、ハイテク株、インフラ関連株、海運株も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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