投資家の慎重スタンスが強まる流れ。東欧地域の地政学リスクがくすぶっているほか、米国の対中圧力強化が不安視されている。トランプ次期米大統領は19日、通商・産業政策を担う商務長官に、高関税を支持するラトニック氏を指名した。次期政権の主要ポストには、対中強硬派が並ぶ。トランプ氏の公約には、中国からの輸入品に一律60%の関税をかけるとの内容も含まれている。
ただ、下値は限定的。中国の追加経済対策に対する期待感で、ハンセン指数もプラス圏で推移する場面があった。朝方公表された実質的な政策金利となる11月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」は予想通り据え置かれたが、年内に預金準備率が引き下げられるとの期待は依然として続いている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が6.1%高、江蘇省拠点の翰森製薬集団(3692/HK)が4.1%高、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が3.4%高と上げが目立った。
セクター別では、医薬が高い。翰森製薬集団や中国生物製薬のほか、信達生物製薬(1801/HK)が8.1%、百済神州(6160/HK)が4.2%、康希諾生物(6185/HK)が2.9%ずつ上昇した。
人工知能(AI)関連や半導体の銘柄も物色される。
他の個別株動向では、オンラインゲーム事業・アプリケーション・ソフト開発の金山軟件(3888/HK)が9.4%高。同社の7~9月期決算は利益15倍に拡大した。
半面、中国の不動産セクターはさえない。広州富力地産(2777/HK)が5.0%、中国奥園集団(3883/HK)が4.7%、融創中国HD(1918/HK)が4.0%、旭輝(884/HK)が2.9%ずつ下落した。
一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.66%高の3367.99ポイントで取引を終了した。医薬株が高い。軍事関連株、証券株、消費関連株、不動産株、資源株、公益株、空運株なども買われた。半面、銀行株は安い。半導体株の一角も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)