中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。翌年の経済政策方針を決定する「中央経済工作会議」は、きょう12日に閉幕するもようだ。会議の終了後には、国営メディアがその内容を報じるのが通例となる。それに先立ち9日に開催された中央政治局会議では、「より積極的な財政政策」と「適度に緩和的な金融政策」を来年実施する方針が確認された。会議の内容を見極めたいとするスタンスなどで朝方は上値の重い場面がみられたものの、指数は上げ幅を徐々に広げている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、消費関連の上げが目立つ。乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が7.2%高、政府系の華潤ビールHD(291/HK)が5.7%高、ビールメーカー大手の百威亜太HD(バドワイザーAPAC:1876/HK)が5.3%高、旅行サイト中国大手の携程集団(9961/HK)が4.4%高、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(6862/HK)が3.9%高で引けた。複数のエコノミストは、中国は来年、内需拡大に向けた政策を強める可能性があると指摘している。また、李強・首相は先ごろ、中国内需の拡大に向け、マクロ経済政策の強化などあらゆる手段を講じていくと表明した。
自動車セクターも高い。東風汽車集団(489/HK)が5.0%、長城汽車(2333/HK)が3.4%、華晨中国汽車HD(1114/HK)が2.6%、比亜迪(BYD:1211/HK)が2.4%ずつ上昇した。
中国金融セクターもしっかり。
半面、医薬セクターの一角は安い。康希諾生物(6185/HK)が3.8%、中国医療集団(8225/HK)が2.7%、百済神州(6160/HK)が2.1%、薬明生物技術(2269/HK)が1.4%ずつ下落した。
一方、本土マーケットは3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.85%高の3461.50ポイントで取引を終了した。金融株が相場けん引。消費関連株、不動産株、インフラ関連株、公益株、医薬株、素材株、海運株なども買われた。半面、ハイテク株の一角は安い。エネルギー株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)