先週の好地合いを次ぐ流れ。相場テコ入れや金融緩和など中国の政策に対する期待感や、米中関係の悪化懸念後退などが引き続き支えとなった。ただ、上値は限定的。中国の大型連休を前に、様子見ムードも漂った。中国では28日から春節(旧正月)の大型連休がスタートし、本土市場は28日から2月4日まで、香港市場は28日が短縮取引で、29~31日まで休場となる。
一方、寄り付き直後公表の国家統計局による1月の中国景況感指数に関しては、製造業PMIが49.1に下落し、4カ月ぶりに景況判断の境目となる50を割り込んだ。非製造業PMIは50.2となり、前月実績と市場予想(ともに52.2)を下回っている。ただ、PMIの落ち込みは春節で従業員が帰省したことなど季節要因があったとの分析もあり、嫌気する売りは限られた。同時に発表された中国工業企業の利益総額は、2024年12月に前年同月比で11.0%増加し、5カ月ぶりにプラス成長を回復している。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、香港不動産開発大手の恒隆地産(101/HK)が4.4%高、中国インターネット検索最大手の百度集団(9888/HK)が3.9%高、ショート動画投稿アプリの快手科技(1024/HK)が3.8%高と上げが目立った。人工知能(AI)をコア戦略とする百度に関しては、中国AI産業がクローズアップされたこともプラス。
新興EV(電気自動車)関連もしっかり。蔚来集団(9866/HK)が3.3%、理想汽車(2015/HK)が2.6%、小鵬汽車(9868/HK)が1.7%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が1.6%ずつ上昇した。
半面、半導体セクターは安い。英諾賽科(蘇州)科技(2577/HK)が13.3%、晶門半導体(2878/HK)が10.4%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が7.7%、華虹半導体(1347/HK)が6.6%ずつ下落した。晶門半導体に関しては、2024年通期決算の減益見通しも売り材料視されている。
一方、本土マーケットは3日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.06%安の3250.60ポイントで取引を終了した。半導体が安い。不動産、自動車、保険・証券、インフラ関連の一角なども売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)