米関税政策の警戒感が強まる流れ。トランプ米大統領は26日、欧州連合(EU)からの輸入品に対する25%の関税賦課を検討中で、近く発表する予定だと語った。すでに米政権は、2月4日付で中国からの全輸入品に10%の追加関税を賦課している。売り圧力も意識。前日のハンセン指数は3.3%高と急上昇し、約3年ぶりの高値を付けた。足元の相場上昇をけん引していたテック株に利食い売りが入り、ハンセン科技(テック)指数は1.2%安と他の主要指数をアンダーパフォームしている。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。中国では来週3月5日、各種政策を決定する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開幕する。当局は景気浮揚のため、追加の消費刺激策が打ち出すとの観測も広がった。指数はプラス圏で推移する場面もみられている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、通信機器・自動車メーカーの小米集団(1810/HK)が5.7%安、通信キャリア大手の中国聯通(762/HK)が5.1%安、旅行サイト中国大手の携程集団(9961/HK)が4.7%安と下げが目立った。
セクター別ではクラウドやAI(人工知能)技術関連が安い。
証券セクターもさえない。中国国際金融(3908/HK)が3.5%安、広発証券(1776/HK)が2.7%安、中国銀河証券(6881/HK)が1.6%安で取引を終えた。中国国際金融と中国銀河証券は前日、合併観測で急伸していたが、この日は売りに押されている。前日引け後、両社は合併観測を否定した。
太陽光発電の関連銘柄も売られる。陽光能源HD(757/HK)が2.6%安、福莱特玻璃集団(6865/HK)が2.4%安、協キン科技HD(3800/HK)が1.6%安と値を下げた。
半面、中国の不動産セクターは続伸している。碧桂園HD(2007/HK)が17.7%高、世茂集団HD(813/HK)が14.3%高、広州富力地産(2777/HK)が5.3%高、龍湖集団HD(960/HK)が4.5%高で引けた。
自動車セクターも総じて高い。長城汽車(2333/HK)が7.4%、蔚来集団(9866/HK)が6.5%、小鵬汽車(9868/HK)が6.2%、吉利汽車HD(175/HK)と浙江零ホウ科技(9863/HK)がそろって6.0%ずつ上昇した。
一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.23%高の3388.06ポイントで取引を終了した。消費関連が高い。銀行、不動産、医薬、空運、エネルギーなども買われた。半面、ハイテクは安い。通信ネットワーク、軍事関連、素材、公益も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)