都市ガス大手の香港中華煤気(ホンコン・チャイナガス:3/HK)は19日引け後、2024年12月期(本決算)の業績を発表し、純利益が前年比5.9%減の57億1150万香港ドル(約1090億円、希薄化後EPS:0.301香港ドル)に縮小したと報告した。売上高は2.6%減の554億7280万香港ドル。
期末配当は1株当たり0.23香港ドルとする方針だ。
 非経常損益を除くコア利益ベースでは5.1%増益。子会社の港華智慧能源(タウンガス・チャイナ:1083/HK)が好調だった。港華智慧能源は再生可能エネルギー事業の利益が6倍に急拡大。都市ガス事業も含めた同子会社のコア利益は34.5%増加した。港華智慧能源は中国24都市で、太陽光発電など1000件以上の再生可能エネルギープロジェクトを展開している。
 一方、本体が手がける香港の都市ガス事業では、ガス販売量が前年並み。工業・商業向け販売量は2%増加したものの、例年より気温が高かった影響で一般世帯向けが1%減少した。顧客数は203万7000世帯で、前年末比から1万7000世帯増加している。港華智慧能源も含む中国本土の都市ガス顧客数は4249万1000世帯(↑230万5000世帯)だった。
 25年は香港観光市場の回復が見込まれるなか、香港のガス販売量は安定的に増加すると会社側は予想。中国本土では、新エネルギー自動車(NEV)、リチウム電池、太陽電池、半導体などの産業の高成長が工業用ガスの需要をけん引するとみている。

 一方、グリーンエネルギー事業にも引き続き注力。傘下のエコセレス(EcoCeres)はSAF(持続可能な航空燃料)の生産量が24年に約18万トンに達し、約20%の世界シェアを確保した。エコセレスはマレーシアに年産30万トンの工場を建設中で、25年第3四半期(7~9月)に操業を開始する予定。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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