中国経済対策に対する期待感が相場を支える流れ。中国景況感の悪化を受け、当局は景気支援の動きを強めるとの見方が広がった。寄り付き直後に公表された4月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)は49.0となり、市場予想(49.7)以上に前月(50.5)から低下している(景況判断の境目となる50を割り込むのは3カ月ぶり)。中国国家発展改革委員会の趙辰昕・副主任は先ごろ、今年の経済成長目標「5.0%前後」の達成に自信を示したうえで、「経済状況の変化に応じて新たな政策を公表する」と述べた。もっとも、上値は限定的。大型連休を前に、積極的な売買も手控えられている。メーデーに絡んだ祝日により、本土市場は5月1~5日が休場。香港市場は1日がメーデー、5日が仏誕節で飛び石の休場となる。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、宝飾小売チェーン大手の周大福珠宝(1929/HK)が7.4%高、生命保険業務のAIAグループ(1299/HK)が6.0%高、モバイル端末・自動車メーカーの小米集団(1810/HK)が4.7%高と上げが目立った。AIAについては、1~3月の新契約価値が前年同期比13%増の14億9700万米ドル(約2130億円)に拡大したことも支援材料。同期としては過去最高を記録している。
セクター別では、半導体やクラウド、AI(人工知能)技術のハイテクが高い。
医療機器・サービスの銘柄群も物色される。上海微創医療機器人集団(2252/HK)が9.3%高、コン博医療HD(2216/HK)が4.7%高、微創医療科学(853/HK)が4.3%高、医渡科技(2158/HK)が5.5%高、阿里健康信息技術(241/HK)が2.0%高で引けた。
半面、本土銀行株は全面安。ハンセン指数の構成銘柄では、中国工商銀行(1398/HK)が4.9%、招商銀行(3968/HK)が4.7%、中国建設銀行(939/HK)が3.9%、中国銀行(3988/HK)が2.3%ずつ下落した。各行が報告した1~3月期決算は、そろって減益。当局の金融緩和スタンスを背景に、各行は純利ざやが縮小し、純利息収入の減少を強いられている。
中国の不動産セクターもさえない。融創中国HD(1918/HK)が2.7%安、中国奥園集団(3883/HK)が2.5%安、万科企業(2202/HK)が2.4%安、碧桂園HD(2007/HK)が2.3%安で前場取引を終えた。
一方、本土マーケットは小幅に4日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.08%安の3283.97ポイントで前場取引を終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)