指標発表前に買いが手控えられる流れ。中国では週明け19日、4月の小売売上高や鉱工業生産などが公表される。トランプ関税の影響が気がかりだ。先行して14日に発表された金融統計では、人民元建て新規融資が市場予想を下回っている。消費の鈍化も警戒。中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が昨日引け後に報告した1~3月期決算は、売上高が7%増にとどまり、市場予想に届かなかった。同業他社にも売りが波及している。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。中国の景気対策に対する期待感が根強いほか、米長期金利の上昇一服が相場の支援材料だ。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、アリババが5.3%安、香港大手行の恒生銀行(ハンセン銀行:11/HK)が3.8%安、太陽光発電(PV)用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が3.1%安と下げが目立った。
セクター別では、消費関連が安い。アリババのほか、ハイパーマーケットの高キン零售(6808/HK)が4.7%、酒場の海倫司国際HD(9869/HK)が2.9%、スポーツ用品の中国動向(3818/HK)が2.4%、家電の海爾智家(6690/HK)が2.3%、酒造の百威亜太HD(バドワイザーAPAC:1876/HK)が2.2%、食品・飲料の統一企業中国HD(220/HK)が1.9%、免税店の中国旅遊集団中免(1880/HK)が1.4%ずつ下落した。
中国の保険セクターもさえない。新華人寿保険(1336/HK)が2.8%安、中国人寿保険(2628/HK)と中国平安保険(2318/HK)、中国人民財産保険(2328/HK)がそろって1.8%安で引けた。
半面、医薬セクターは物色される。山東新華製薬(719/HK)が8.9%、石薬集団(1093/HK)が3.9%、中国生物製薬(1177/HK)が3.8%、四環医薬HD集団(460/HK)が3.0%ずつ上昇した。
他の個別株動向では、中国オンラインゲーム大手の網易(ネットイース:9999/HK)が13.1%高。同社の四半期決算は35%増益で、市場予想を上回った。
本土マーケットも続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.52%安の3363.32ポイントで前場取引を終了した。金融が下げを主導。エネルギー、消費関連、素材、公益、不動産なども売られた。半面、医薬は高い。自動車、軍需産業、ハイテクの一角も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)