週明け8日前場の香港マーケットは、主要88銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比90.19ポイント(0.35%)高の25508.17ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が15.32ポイント(0.17%)高の9072.54ポイントと続伸した。売買代金は1659億1690万香港ドルに拡大している(5日前場は1246億2870万香港ドル)。

 中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。中国メディアは5日付で、「中国政府は近く、サービス消費の拡大に向けた新措置を発表する見通し」と報じた。そのほか、中国の地方政府はこのところ、独自の消費刺激策を相次いで導入している。また、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会会議が8~12日に北京で開催されると伝わる中、追加の経済対策が打ち出されるとの観測も広がった。
 ただ、上値は限定的。米中の景気減速が警戒されている。米労働省が6日発表した8月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比2万2000人増にとどまり、市場予想(7万5000人増)を大幅に下回った。本日の取引時間中に公表された8月の中国貿易統計では、米ドル建て輸出入の伸びが予想以上に前月から縮小している。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、電子商取引(EC)中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ:9988/HK)が3.7%高、中国インターネット検索最大手の百度集団(バイドゥ:9888/HK)が3.2%高、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が2.8%高と上げが目立っている。そのほか、本日付でハンセン指数に新規採用された銘柄の値動きは、京東物流(JDロジスティクス:2618/HK)が2.4%高、中国電信(728/HK)が0.5%安、泡泡瑪特国際集団(ポップマート・インターナショナル・グループ:9992/HK)が6.7%安。ハンセン指数の構成銘柄は85→88に増加した。
 セクター別では、中国の不動産が高い。
碧桂園HD(2007/HK)が8.3%、遠洋集団HD(3377/HK)が5.9%、雅居楽集団HD(3383/HK)が3.3%、旭輝(884/HK)が3.2%ずつ下落した。政策支援の動きが材料視される。北京市、上海市に続き、深セン市も5日夜、住宅購入制限エリアの縮小など一連の措置を発表。一部の中国メディアは、今回の深セン市の緩和は市場予想を上回る内容で、北京、上海の両都市を上回ると報じた。
 エアラインや代理店の旅行関連セクターも物色される。中国国際航空(753/HK)が4.8%高、中国南方航空(1055/HK)が3.0%高、中国東方航空(670/HK)が2.4%高、香港中旅国際投資(308/HK)が2.4%高、東瀛遊HD(6882/HK)が1.8%高で前場取引を終えた。10月の国慶節連休が視野に入る中、旅行需要の拡大が期待されている。韓国の関係部局は8日までに、3人以上の中国人団体観光客はビザ(査証)なしで15日間、韓国に滞在できるなどとした計画を発表した。
 半面、半導体やクラウドの銘柄群は安い。蘇州貝克微電子(2149/HK)が2.4%、華虹半導体(1347/HK)が2.2%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が2.0%、金蝶国際軟件集団(268/HK)が3.3%、微盟集団(2013/HK)が1.7%ずつ下落した。
 本土マーケットも続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.17%高の3818.82ポイントで前場の取引を終了した。
消費関連が高い。自動車、公益、資源・素材、運輸、不動産なども買われた。半面、金融は安い。ハイテク、軍需産業、医薬の一角も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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