中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。中国メディアは5日付で、「中国政府は近く、サービス消費の拡大に向けた新措置を発表する見通し」と報じた。そのほか、中国の地方政府はこのところ、独自の消費刺激策を相次いで導入している。また、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会会議が8~12日に北京で開催されると伝わる中、追加の経済対策が打ち出されるとの観測も広がった。
ただ、上値は限定的。米中の景気減速が警戒されている。米労働省が6日発表した8月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比2万2000人増にとどまり、市場予想(7万5000人増)を大幅に下回った。本日の取引時間中に公表された8月の中国貿易統計では、米ドル建て輸出入の伸びが予想以上に前月から縮小している。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、電子商取引(EC)中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ:9988/HK)が3.7%高、中国インターネット検索最大手の百度集団(バイドゥ:9888/HK)が3.2%高、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が2.8%高と上げが目立っている。そのほか、本日付でハンセン指数に新規採用された銘柄の値動きは、京東物流(JDロジスティクス:2618/HK)が2.4%高、中国電信(728/HK)が0.5%安、泡泡瑪特国際集団(ポップマート・インターナショナル・グループ:9992/HK)が6.7%安。ハンセン指数の構成銘柄は85→88に増加した。
セクター別では、中国の不動産が高い。
エアラインや代理店の旅行関連セクターも物色される。中国国際航空(753/HK)が4.8%高、中国南方航空(1055/HK)が3.0%高、中国東方航空(670/HK)が2.4%高、香港中旅国際投資(308/HK)が2.4%高、東瀛遊HD(6882/HK)が1.8%高で前場取引を終えた。10月の国慶節連休が視野に入る中、旅行需要の拡大が期待されている。韓国の関係部局は8日までに、3人以上の中国人団体観光客はビザ(査証)なしで15日間、韓国に滞在できるなどとした計画を発表した。
半面、半導体やクラウドの銘柄群は安い。蘇州貝克微電子(2149/HK)が2.4%、華虹半導体(1347/HK)が2.2%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が2.0%、金蝶国際軟件集団(268/HK)が3.3%、微盟集団(2013/HK)が1.7%ずつ下落した。
本土マーケットも続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.17%高の3818.82ポイントで前場の取引を終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)