11日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比63.09ポイント(1.65%)高の3875.31ポイントと続伸した。
 投資家のリスク選好がやや強まる流れ。
中国の政策に対する期待感が相場を引き続き支えている。8日に始まった全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会会議の決定内容については、最終日(12日)に国営メディアが詳細を報じる見通しだ。また、中国当局はこのところ、人工知能(AI)技術を軸とした産業支援、「AI+」政策に注力しているほか、消費刺激、「内巻」(過当競争)是正など景気対策を相次ぎ打ち出している。指数は朝方に弱含む場面はみられたものの、上げ幅を徐々に広げた。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、ハイテク関連の上げが目立つ。産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)や電子機器メーカーの方正科技集団(600601/SH)、銅張積層板メーカー世界大手の広東生益科技(600183/SH)、スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)、フラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技(603986/SH)、プリント基板(PCB)大手の深セン市景旺電子(603228/SH)などがそろって10.0%(ストップ)高で引けた。
 ハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」では、AIチップの中科寒武紀科技(カンブリコン・テクノロジーズ:688256/SH)が9.0%高、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:688981/SH、981/HK)が6.1%高。主要50銘柄で構成される「上証科創板50成分指数(Star50)」が5.3%高と他の指数をアウトパフォームしている。
 証券株も高い。太平洋証券(601099/SH)が4.4%、華泰証券(601688/SH)が3.5%、中信証券(600030/SH)が2.9%、国泰海通証券(601211/SH)と中国銀河証券(601881/SH)がそろって2.4%ずつ上昇した。不動産株、素材株、軍需産業株、インフラ建設株、自動車株、消費関連株、銀行・保険株なども買われている。
 半面、医薬株は安い。
浙江華海薬業(600521/SH)が4.3%、昭衍新薬(603127/SH)と江蘇恒瑞医薬(600276/SH)がそろって2.9%、薬明康徳(603259/SH)が2.4%、人福医薬集団(600079/SH)が2.1%ずつ下落した。米国の圧力を警戒。外電は10日、消息筋情報として、トランプ米大統領は中国の医療品に対する「厳しい規制」を検討しているもようと伝えた。中国の医薬品パイプライン(新薬候補)はここ数年で拡大し、足もとでは米製薬企業が中国企業から新薬候補を導入する大型のライセンス契約が増えている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が2.00ポイント(0.76%)高の264.22ポイント、深センB株指数が4.15ポイント(0.31%)高の1363.57ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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