12日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比4.71ポイント(0.12%)安の3870.60ポイントと3日ぶりに反落した。
指標発表前に買いが手控えられる流れ。
中国では8月の金融統計や小売売上高、鉱工業生産、1~8月の不動産投資など重要経済統計が来週15日までに発表される。直近で公表された経済指標は中国経済の鈍化を示す内容が多かっただけに、気がかり材料として意識された。また、8日に始まった
全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会会議の決定内容については、最終日のきょう12日以降に国営メディアが詳細を報じる見通し。主要政策の方針を見極めたいとするムードも漂った。もっとも、政策に対する期待感は大きく、下値を叩くような売りはみられない。指数は高く推移する場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)
金融株が下げ主導。上海浦東発展銀行(600000/SH)が3.7%安、興業銀行(601166/SH)が1.9%安、中国太平洋保険(601601/SH)が2.2%安、中国平安保険(601318/SH)が1.7%安、国泰海通証券(601211/SH)が2.0%安、中信証券(600030/SH)が1.8%安で引けた。
消費関連株も安い。化粧品の上海家化聯合(600315/SH)が4.1%、酒造の舍得酒業(600702/SH)が3.1%、雑貨卸売の浙江中国小商品城集団(600415/SH)が2.0%、エナジー飲料の東鵬飲料(605499/SH)が1.7%、食品の仏山市海天調味食品(603288/SH)と乳製品の内蒙古伊利実業集団(600887/SH)、家電の海爾智家(600690/SH)がそろって1.6%、免税店の中国旅遊集団中免(601888/SH)が1.3%ずつ下落した。自動車株、エネルギー株、公益株なども売られている。
半面、ハイテク関連株の物色は続く。
電子機器メーカーの方正科技集団(600601/SH)とプリント基板(PCB)大手の
深セン市景旺電子(603228/SH)がそろって10.0%(ストップ)高、フラッシュメモリー中国大手の
北京兆易創新科技(603986/SH)が7.2%高、スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)が6.4%高、産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が4.8%高で取引を終えた。ほか、ハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」では、AIチップの中科寒武紀科技(カンブリコン・テクノロジーズ:688256/SH)が7.3%高。主要50銘柄で構成される「上証科創板50成分指数(Star50)」が0.9%逆行高している。不動産株、医薬株、非鉄株も買われた。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.02ポイント(0.39%)安の263.19ポイント、深センB株指数が4.12ポイント(0.30%)安の1359.45ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)