米中関係の改善期待が相場を支える流れ。米国のバデュー駐中国大使は23日、中国が米ボーイング機を新規に購入する交渉は最集段階に入っていると明らかにした。最大500機の航空機購入契約を結ぶ可能性があり、実現すれば、2017年のトランプ米大統領(第1期)の訪中以来続いていたボーイングの対中販売不振に、ようやく終止符が打たれることとなる。また、中国の李強首相など政府高官は、米下院議員団と北京で相次ぎ会談。双方の対話が加速している。そのほか、人工知能(AI)産業拡大の期待が根強いことや、中国当局が産業支援や「内巻」(過当競争)是正、消費刺激などの対策を強めていることなども改めて材料視された。米中の金融政策に対する不透明感や、中国に接近している猛烈な勢力の台風18号(ラガサ)が経済に与える影響などを不安視した売りが先行したものの、指数はほどなくプラスに転じている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が7.0%高、中国電子商取引(EC)最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ:9988/HK)が6.4%高、ショート動画投稿アプリの快手科技(1024/HK)が5.2%高と上げが目立っている。半導体やネット関連の上昇が寄与し、ハンセン科技(テック)指数は2.2%高と他の指数をアウトパフォームしている。
セクター別では、半導体が高い。SMICのほか、ASMPT(522/HK)が8.4%、華虹半導体(1347/HK)が8.0%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が5.8%ずつ上昇した。そのほか、クラウド関連の金蝶国際軟件集団(268/HK)が6.0%高、微盟集団(2013/HK)が4.9%高、万国数拠HD(9698/HK)が2.4%高と値を上げている。
中国不動産セクターもしっかり。建発国際投資集団(1908/HK)が3.9%高、中国海外宏洋集団(81/HK)が3.7%高、碧桂園HD(2007/HK)が1.7%高、遠洋集団HD(3377/HK)が1.4%高で引けた。
半面、非鉄・産金セクターはさえない。新疆新キン鉱業(3833/HK)が2.7%、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が1.9%、中国黄金国際資源(2099/HK)が2.0%、赤峰吉隆黄金鉱業(6693/HK)が1.7%ずつ下落した。
本土マーケットも反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.63%高の3845.91ポイントで前場の取引を終了した。半導体が高い。不動産、医薬、素材、消費関連、インフラ関連なども買われた。半面、エネルギーは安い。銀行、自動車、公益も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)