25日の香港マーケットは、主要88銘柄で構成されるハンセン指数が前日比178.05ポイント(0.69%)高の25894.55ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が78.89ポイント(0.87%)高の9158.31ポイントと続伸した。売買代金は2311億4850万香港ドル(約4兆6530億円)に縮小している(24日は3026億4180万香港ドル)。

 投資家心理がやや上向く流れ。米中関係の改善期待や、米中の政策期待が支えとなっている。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は24日に電話会談し、双方がお互いの国を訪問することで合意したなどと伝わった。経済政策を巡っては、米国では次回(12月9~10日)米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げが決定されるとの観測が高まっている。また、中国では2026年の経済政策を決める中央経済工作会議が12月中旬ごろに開催される見通し。金融関係者からは、会議を経て、26年1月にも預金準備率や政策金利を引き下げる可能性があると指摘された。そのほか、中国景気の先行き不安後退もプラス。格付け会社のS&Pグローバル・レーティングは最新リポートで、26年の中国GDP(国内総生産)成長率予想を4.0→4.4%に0.4ポイント上方修正した。
 ただ、上値は限定的。中国では27日に1~10月の工業企業利益、30日に11月の製造業PMIと非製造業PMIが公表される。結果を見極めたいとするスタンスも漂った。また、日本と対立改善の糸口がつかめない点も不安材料としてくすぶっている。
(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、中国インターネット検索最大手の百度集団(バイドゥ:9888/HK)が4.6%高、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス:241/HK)が4.4%高、モバイル端末・自動車メーカーの小米集団(1810/HK)が4.3%高と上げが目立った。小米に関しては、雷軍・董事長兼CEO(最高経営責任者)が同社株260万株を24日に追加取得したと報告したことも材料視されている。1株当たりの平均取得価格は35.58香港ドルで、総額1億香港ドル(約20億円)を超えた(きょうの終値は40.34香港ドル)。
 セクター別では、半導体が高い。ASMPT(522/HK)が3.5%、華虹半導体(1347/HK)が2.4%、晶門半導体(2878/HK)が2.3%、上海復旦微電子集団(1385/HK)が2.0%ずつ上昇した。
 非鉄・産金セクターもしっかり。中国宏橋集団(1378/HK)が2.9%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が1.5%高、江西銅業(358/HK)が1.2%高、紫金鉱業集団(2899/HK)が1.8%高、招金鉱業(1818/HK)が1.4%高で引けた。
 半面、空運セクターは急落。中国東方航空(670/HK)が5.9%安、中国国際航空(753/HK)が3.3%安、中国南方航空(1055/HK)が1.9%安で取引を終えた。中国政府が日本への渡航自粛を呼びかけた影響で、中国の航空会社が日本路線を相次ぎ減便・欠航。また、日本便チケットのキャンセルも続出するなか、大手3社などは無料での変更・払い戻しを受け付けると発表した。
 本土マーケットも続伸。
主要指標の上海総合指数は、前日比0.87%高の3870.02ポイントで取引を終了した。ハイテクが高い。素材、金融、不動産、医薬、自動車なども買われた。半面、空運は安い。軍需産業株の一角も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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