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2008年は毛沢東の誕生115周年にあたり、毛沢東に関する話題が多く取り上げられた年であった。中でも、「日本の侵略に感謝する」と語ったとされることについて、学会のみならず一般人も大きな興味を示した。
関連写真:そのほかの中国で報道されている日本に関する写真
多くの人々は毛沢東の発言をそれぞれ分析している。ある人は「豪放な性格であった毛沢東は、党内での地位を確立した後は何も気兼ねなく口にすることが出来たために、事実を語ったのだ」と分析し、またある人は、「毛沢東は弁証法を学んだことがあるため、この話は日本侵略が中国人民を目覚めさせたことに対しての風刺である」と分析している。
「毛沢東外交文選」の記載によると、毛沢東は日本人に対して「侵略に感謝する」と直接語っている。1961年1月24日、日本社会党の黒田寿男氏と会談した際、「日本帝国軍が中国大半を占領したことによって、中国人民は教育を受けることが出来た。日本の侵略が無かったら、我々は未だに山里に住んでいたことだろう。」と述べている。
また、続けて「日本帝国軍が中国大半を占領したからこそ、我々は抗日基地を築くことが出来、後の解放戦争に勝利するための条件を整えることが出来た。日本軍閥は我々に『良い事』をしてくれた。
また、1956年に日本陸軍の遠藤藤三郎前中将と会談した際にも「あなたたちは我々の先生であり、感謝しなければならない。戦争こそが、まとまりのない中国人民を団結させたからである」と述べている。
学識者の分析では「敵に感謝する」という毛沢東の発言はユーモアと諷刺、皮肉を込めたものであり、日本による侵略を肯定するものではなく、また、日中戦争が中国人民にもたらした災難を肯定するものでもない。つまり毛沢東の談話は日本帝国主義を反面教師として捉えたものであり、客観的に見た場合、日本帝国主義による侵略が中国人民を団結させ、反抗と覚醒をもたらしたという意味であろう。
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(出典:王錦思的BLOG意訳編集)
写真は『毛主席近影集』に収められている生前の毛沢東。(編集担当:畠山栄)
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