日本では、男の子は5歳、女の子は3歳と7歳の年の11月15日に、そこまで無事に育ったことを感謝し、お祝いするために、子供と親が一緒に神社、お寺に行く習慣があります。これを「七五三」(しちごさん)とよんでいます。
近代以前の日本では、乳幼児の死亡率が高かったので、3歳、5歳、7歳の節目で、このような感謝とお祝いをしたのです。もちろん、現在の日本では、乳幼児死亡率は減少しています。しかし、子供の健やかな成長を祈り、感謝する親の気持ちは、古今東西、変わらないと言えましょう。
11月25日の日本の新聞には、財団法人日本ユニセフ協会の大きな広告が掲載されていました。ユニセフ(UNICEF、国連児童基金)は、全ての子どもたちの権利が守られる世界を実現するために活動している組織で、世界190カ国で活動しています。この広告は、日本人に対して、アフリカの子供たちを助けるための支援、寄付を求めるために掲載されました。
「生まれる命は、場所を選べない。アフリカに生まれた子どもたちの6人に1人は、5歳まで生きることができません。
2000年9月にニューヨークで開催された国連ミレニアム・サミットに参加した147の国家元首を含む189の加盟国代表は、21世紀の国際社会の目標として国連ミレニアム宣言を採択しました。このミレニアム宣言は、平和と安全、開発と貧困、環境、人権とグッドガバナンス(良い統治)、アフリカの特別な必要性などを課題として掲げ、21世紀の国連の役割に関する明確な方向性を提示しました。そして、この国連ミレニアム宣言と1990年代に開催された主要な国際会議で採択された国際開発目標を統合し、1つの共通の枠組みとして「ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals:MDGs)」がまとめられました。このミレニアム開発目標は、2015年までに達成すべき8つの目標を掲げています。その中に、2015年までに5歳児未満の死亡率を1990年の水準の3分の1に削減するという目標もあります。
温家宝総理は本年9月に国連で開催された、ミレニアム開発目標の実現について話し合うハイレベル会合に出席され、「中国はミレニアム開発目標の約束を守る」と力強く発言されました。この会議には、日本から中曽根弘文外務大臣が参加し、日本も、対途上国支援などを通じて、ミレニアム開発目標実現のための積極的に取り組んでいることを説明しました。この会合の出席者たちは、ミレニアム開発目標実現のためにがんばっている世界の人を励まし、また更に各国政府とNGO(非政府組織)も協力を強化しないといけないと再確認したものです。
アフリカも含めた世界の子供と親たちが、「七五三」をお祝いできるようになることを祈ってやみません。
写真は七五三のお祝いのために神社に来ている家族。奥にいるのは神主。(執筆者:井出敬二・前在中国日本大使館広報文化センター所長 注:本稿の中で、意見にわたる部分は、筆者の個人的意見であり、筆者の所属する組織の見解を代表するものではありません)
※本稿は中国網(チャイナネット)に掲載されたもので、チャイナネットの了承を得て転載しています。
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