財務主管をしていた張吉春は、05年から07年の約2年間で423万元(約5900万円)の借金を作り、領収書の空発行でその借金を“チャラ”にしたとされている。また、2006年9月には、西城区の建物取り壊し工事を利用し、立ち退きにかかる費用の一部を着服したという。
これらの不正に関与したのが、大学時代、張吉春の同級生だった李勁松である。建設会社社長だった李勁松は、張吉春の便宜で同地区内30件以上の工事を請け負い、今回の犯罪についても密接な係わり合いを持っていたとされている。それをいいことに、張吉春は、すべての罪を友人である李勁松になすりつけようとしたという。
「マカオでギャンブルをするために、李勁松は数人の高利貸しから金を借りました。
「帳簿上に、あなたの署名と拇印が残っているんですよ。これは、あなたに汚職行為があったことを証明しています」。しばしの沈黙ののち、検察官のこの詰問に対して、張吉春はこう答えたという。「調査処理の担当者が、私に眼鏡をかけさせてくれなかったせいで書類がよく見えなかったのです。その内容は事実と反します」。
李勁松の方は、公金をギャンブルに使用したことを認めており、張吉春の求めに応じて領収書の空発行を繰り返したことも告白している。
真実が仮にどこにあったとしても、今後、この2人の関係が悪化するのは間違いないだろう。審理はいまだ継続中である。(編集担当:井上洋一郎)
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