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ピグマリオン症候群とは、自分の説などを信じ込み、事実(の解明)よりも優先する症状を指す。もともとは、一部の物理学者にみられる、自分が作った学説や数学モデルを宇宙の真の姿と信じ込む傾向を指して使わた。ギリシャ神話にある、自分が彫ったビーナスの石像に恋をしたというピグマリオンの話に由来する用語だ。
「観測事実」にもとづく物理学でもピグマリオン症候群は発生しやすい。推測や状況証拠にしかもとづくことが出来ない分野で、どれだけ起こりやすいかは、推して知るべしだ。
この症候群に取りつかれると、自分と正反対の論には冷静に対応できるが、若干の差異がある説を唱える相手に、反感を持つようになる。この段階の論者が議論を始めると、わきから見ているとそれほど違わないことにこだわるようになり、第三者は議論に加わることをためらう雰囲気になる。
さらに症状が進むと自分にとっての「自明の理」を理解できない相手を許すことができなくなる。事実の指摘による反論で議論を進めることができなくなり、「相手を叩き潰す」ことを目的にする場合がある。根拠もなしに相手を「決めつけ」て罵倒することにも、ためらいがなくなってくる。
他人の意見が「中国よりに偏っている」と思えたとたん、証拠もなく「工作員」扱いするなどは、その典型だ。
つまり、自分が「正義の押しつけ」をやっていることが自覚できなくなる。たとえ、本当に「正義」であったとしても、困った態度の論者だ。
ピグマリオン症候群と「洗脳」は異なる。洗脳の犠牲者の場合には、最初の刷り込みや思い込みにこだわっているわけだ。ピグマリオン症候群の場合には、自分なりに事実を調べ、思考を重ねて結論に達する。「間違っていない」部分があるだけに、かえって始末に負えない存在になる。
この掲示板のような場で発言する人の多くは、その主張する方向はどうであれ、「洗脳・思い込み派」と「ピグマリオン症候群」だと思う。真っ当に議論できる人は少ない。読んでいて、そう思わざるをえない。
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◆解説◆
南京虐殺事件について◆事実を知るのは大切と思うがが、恨みを助長するためではない◆中国人が日本人を恨むのではなく、「戦争という行為」を恨んでくれれば、建設的な話し合いができる――などとした、平均的な日本の若者(ハンドルネーム)さんの投稿へのレスのひとつ。
平均的な日本の若者さんの投稿中、南京事件についての中国側の見解を支持した部分はないが、中国側を支持するとみなした反論が寄せられた。
平均的な日本の若者さんは、自分の見解をさらに詳しく説明するなど、再投稿した。
「工作員乙」とだけ書かれたレスに対しては、「工作は幼い時から大好きですよ。牛乳パックとか使って……」といなした。
「工作員」とは、中国当局の意向を受け、世論を誘導するためにインターネットへの書き込みを行なう要員。中国国内には相当数存在し、国外でも同様の活動をする者がいると報道されたことがある。
タンジェントさんは、中国側の立場に立つ「症候群」について直接触れなかったが、「その主張する方向はどうであれ、真っ当な議論ができなくなる」との見方を示した。ヤフーのコメント欄などでは、日本と日本人を一方的に罵倒するコメントも目立つ。(編集担当:如月隼人)
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