――昨年末からオフィスの経費削減移転が増えており、コスト削減ニーズに応えるオフィス構築を行っている。
「経費を削減するため引越しするお客様に、内装費をできるだけ抑えた高品質のオフィス構築サービスを提供している。イニシャルコストだけでなく、ランニングコストも意識し、省エネ型の照明器具を提供。窓からの採光に気を配り空調効率を上げる提案など、環境にやさしいオフィスも構築している」
――オフィス構築サービスをワンストップで提供している。
「オフィスビル評価、オフィス設計、内装設備工事、家具の調達・販売、ネットワーク工事、メンテナス、OA機器の導入、引越しサポートまで、ワンストップでオフィス構築のすべてを提供できるのがコクヨの強みだ。中国では工期を守り、高品質のサービスを維持していくのは決して容易ではないが、トラブルも予期しながら工事を進め、万が一トラブルが発生しても逃げずに正面から取り組む姿勢が、お客様から評価されている」
――近年、日系企業の顧客開拓にとどまらず、欧米系や中国系の取り込みも図っている。
「国誉貿易(上海)は2003年、コクヨの中国拠点として上海に設立し、オフィス家具の販売を開始した。04年には内装工事の国誉装飾技術(上海)を設立し、オフィス構築サービスをスタート。同年に北京と天津に、05年には大連に支店を設けた。当初、日系企業のお客様をターゲットに絞り、ビジネス展開してきたが、06年から日系以外のお客様のオフィス家具マーケットの開拓に着手した。欧米系企業開拓のため、欧米人や英語人材を採用、中国系企業を担当する営業経験者をヘッドハンティングし、非日系顧客を取り込むための布陣を固めてきた」
――中国系、欧米系、それぞれの顧客開拓のスタイルが違う。
「コクヨの知名度が低い中国系や欧米系の開拓は一筋縄ではなかったが、ようやくそれぞれの営業スタイルが見えてきた。中国系は商品力とともに、『キーパーソン』の人脈構築が重要だ。総経理や購買担当者など、決定権のある方たちと関係を作ることが引き合いに繋がる。開拓のスピードは決して速くないが、手応えを感じている。欧米系は、設計事務所からオフィス家具の推薦を受けることが多く、設計事務所との関係構築がカギとなる。設計事務所はデザインなどへの要求が高く、必然的に商品開発力が求められる」
――広範な顧客のニーズに対応するため、商品開発のピッチを早めている。
「日系、中国系、欧米系と、それぞれ家具に求めるデザインや機能のニーズが違う。現在それぞれの声を聞きながら、商品開発のスピードを上げようとしている。開発は中国の国誉家具商貿が中心となり、日本の開発部隊のノウハウも注入しながら進めている」
――昨年の北京オリンピックでは公式サプライヤーとなり、知名度アップを図った。一方、来年の上海万博を絶好のビジネスチャンスの場と捉えている。
「北京オリンピックでは知名度を上げるプロモーション活動を展開し、一定の成果を上げた。来年の上海万博ではPR活動にとどまらず大きなビジネスに繋げたいと、内装から家具、プリンティングサービス、オフィス消耗品を提供する『イージーバイ』などを組み合せた『オールコクヨ』で何ができるか、戦略策定に動き出している」
――今後の最大のミッションは、中国系顧客の掘り起しだ。
「オフィス家具の商品開発力を高めながら、中国系企業の開拓にまい進していく。同時に日系企業の皆様に満足いただけるオフィス構築と、オフィス家具の提供に引き続き取り組んでいき、オフィス構築サービスをワンストップで提供できる企業として、中国でのプレゼンスをますます高めていきたい」(情報提供:ウェネバー)
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