【中国の検索ワード】二重の屈辱…校内いじめ動画流出で被害者家出

　学校で女子生徒が別の女子生徒数名に暴力を受けている様子を撮影した動画がネット上に流失し、騒ぎになっている。13日更新の中国大手検索サイト百度（Baidu）「検索ワード人気上昇ランキング」に「布鞋妹妹」（布靴の女の子）が登場した。

　動画では、学校の階段の踊り場らしき場所で布靴を履いた女子生徒が複数の女子生徒に殴ったり蹴られたりしている様子が映し出されていた。この動画が8月10日にあるサイトの掲示板に掲載され、多くのユーザーの反響を呼んだ。ユーザーの調査により、この学校は河南省新鄭市にある中学校で起こった事件である事も分かった。同校の校長は取材に対して確かに6月頃に同校の宿舎で発生したものであるとし、誰かの衣服がなくなった際に「布鞋妹妹」に疑いがかけられた事が原因だと語った。また学校側ではすでに関係した生徒に指導を行い、「布鞋妹妹」に対して謝罪をしており解決済みであること、生徒の自尊心を考え公にしなかったと説明している。

　「布鞋妹妹」の両親は、動画が話題になっている事を他人から聞いて初めて知ったという。父親の話では、6～7月頃に娘が塞ぎこんでいたり夜中うなされたりしていた事に気づいていたが、クラスメイトから辱めを受けたことは本人から聞いていなかったという。騒ぎになった後、娘が100元札を持って家を飛び出し行方が分からなくなっていることも父親が明らかにした。　

　一連の騒動に対して、「人のやる事ではない」「殴っている女子生徒がとても誇らしげだ。栄辱観のかけらもない」「自分が保護者だったらこの女子生徒たちを殴ってやりたい」と暴力を振るった生徒達を非難すると同時に、「学校はどんな教育をしているのだ」「生徒に対する処罰が軽すぎる」と学校の対応に不満をの声をあげるユーザーも多かった。

　百度がこのたび行った校内暴力に関するアンケートでは、約27000人の回答者のうち11％が「身の回りに校内暴力がある」と答え、さらに4％あまりが「自分も校内暴力を受けた事がある」と答えたという結果が出ている。最近は生徒同士の喧嘩や、校内暴力の様子を中国の動画サイトで確かに多く見かけるようになった。中国でも、学生の心のケアが声高に叫ばれるようになっているようである。（編集担当：柳川俊之）

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