魏法照被告は1月24日午後、酒を飲んだ後に乗用車を運転して河南省安陽市滑県で、歩いていた高齢者夫妻をはねた。
魏被告の血液を検査したところ、高濃度のアルコールが検出されたため、警察は飲酒運転の中でも悪質な酩酊(めいてい)運転と断定した。
裁判所は、「危険方法危害公共安全罪(危険方法で公共の安全に危害を与えた罪)」を適用。魏被告には反省もみられず、厳罰で臨むとして、死刑と政治権利の終身剥奪を言い渡した。
河南省で飲酒運転で交通事故を起こしたとして死刑が言い渡されるのが初めて。四川省では2008年12月に飲酒運転による事故で4人を死亡させたとして、一審で被告に死刑が言い渡された。二審は無期懲役で、刑が確定した。
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◆解説◆
中国では飲酒運転に厳しく臨む姿勢が目立つようになった。
四川省の事故では、被告が二審判決までに被害者遺族に対して100万元(11日レートで約1340万円)の補償を支払うことを申し出、同意を得た。裁判所が「誠意が認められる。被告は深く反省した」とみなしたことが、二審判決が無期懲役に減刑された理由とみられている。
政治権利の終身剥奪は権利剥奪刑の1種。政治家が汚職や権力乱用で有期刑の判決を受けた場合、「2度と復活は認めない」ことを意味するので大きな効力を持つが、死刑判決に加えられる場合には、形式的な意味合いだ。(編集担当:如月隼人)
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