8日付新華社電によると、香港で同日行われたサザビーの秋のオークションで、清の乾隆帝が使用した玉座「水雲波龍」が、8578万香港ドル(8日レートで約9億7700万円)で落札された。

 「水雲波龍」は紫檀製で、幅は140.5センチメートル。
重厚な風格を持つ一方で、精緻(せいち)な彫刻が施されている。事前の予想では2000万-3000万香港ドルで落札と考えられていたが、大きく上回った。8578万香港ドルは中国家具として、これまでの最高額という。写真は中国新聞社が配信(CNSPHOTO)。

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◆解説◆

 乾隆帝は清朝の第7代皇帝。在位は1735-1795年。前代の雍正帝までに残された豊かな国庫を基盤に、減税などで経済を活性化。また、外征を繰り返し、失敗もあったものの領土を大きく拡大させた。文化・芸術面の充実もあり清朝最盛期を具現した皇帝とされている。

 しかし、治世の末期にはチベット動乱やミャオ族の反乱などもあり、財政は逼迫(ひっぱく)。綱紀のゆるみで汚職なども横行し「清朝衰亡の“芽”を作った」との批判もある。乾隆帝は、言論でも厳しい弾圧を行い、処刑された文化人も多い。
(編集担当:如月隼人)

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