2004年、誰も見たことのないスーパーヒーローエンターテインメントが誕生。そのヒーローこそ、さえない小学校教師が扮装する『ゼブラーマン』だった。
スマッシュヒットを飛ばし、DVDセールスも好調、哀川翔が日本アカデミー賞で優秀主演男優賞を受賞するなど数々の記録を打ち立て、ブームを巻き起こした。

 あれから6年が経ち……待望の続編『ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲-』が完成!「第二回沖縄国際映画祭」(2010年3月20日~28日開催)でワールドプレミアが行われ、主演の哀川翔が出席。プレミア上映後にインタビューに応じてくれた。

――沖縄国際映画祭に出席した感想を教えてください。

 いいレッドカーペットを歩かせてもらいました。みなさんが入場を喜んでくださったので、来たかいがあります。沖縄の人は熱いよね! ワールドプレミアでは小さな子どもたちまで喜んでくれて、かなりいい反応でした。

――6年ぶりのゼブラーマン復活ですが、続編の予定はあったのですか?

 全くなかった。でも3年位前、三池崇史監督と脚本家の宮藤官九郎さんと「もう1回やろうか」と話はしたんです。だけど形にはならなかった。実はその時監督がポロッと「やっぱりゼブラーマンですかね」って言っていたので、水面下で進んでデビュー25周年にぶつけて撮影が実現したという感じですね。

――哀川さんご自身も“やりたい”という気持ちでしたか?

 やりたいというより、“やるなら早くやろうぜ”という感じ(笑)。
前作がものすごく大変でしたからね。その思いがパッとよぎったんです。でもまさか、25周年に浮上してくるとは思わなかった。

――200時間ワイヤーに吊られて記録を作った、というエピソードがありましたが、辛い撮影でしたか?

 三池監督は「死ねばいいのに」って思っていたらしいけどね(笑)。過酷な現場ほどいい作品になるんですよ。キツかったな~と思うと、いいのができているんです。過去の経験から、“いいのできるぞ!”と思ってやっていましたね。

――6年ぶりにゼブラーマンになった感想は?

 ヒーローは辛い(笑)。ヒーローになるのは大変だと思いました。単純にね(笑)。

――市川新市とゼブラーマンの演じ分け、楽しみましたか?

 不思議なことに…市川新市やっている時は彼そのもので、ゼブラーマンになると市川新市は消えていた。不思議な感覚でしたよ。
意識していなかったんだけど、台本通りってことかな(笑)。俺はまじめにゼブラーマンを演じているけれど、観客のみなさんはくすくす笑うんだよね。

――ゼブラクイーンの仲里依紗さんの演技は、素晴らしいですね!

 本当に素晴らしかった。弱冠20歳なのに、すごい女優さん!先が怖いね。女優魂を感じたし、ポスターのことば通り“最強の女”が現れたよね。演技はもちろんのこと、歌もダンスも殺陣も、現場で淡々とこなしていた。かなり練習を積んだだろうけど、それを見せない。ゼブラクイーンの役はみんなが避けて通ろうとするラインだと思うし、演じ手として勇気のいるポジションでしょう。でも、それを“さらり”とこなすなんてカッコいい!監督とクドカンはものすごいヒロインを作ったよね!25周年の集大成と言える俺の秘儀が、彼女との共演シーンに出てきます。

――哀川さんにとって、ゼブラーマンはどんなヒーローですか?

 前回ゼブラーマンが生まれた時は、世界で多分一番マイナーなヒーローだろうなと思いました。普通の人間がマスクかぶるだけでしょ。自力のヒーロー(笑)。
でもこの続編で、かなりいい所までゼブラーマンが走ってくれるんじゃないか、って気がしてますね。“子どもたち釘づけ”みたいな。ヒーロー物のスタート地点に立ったぞ、という感覚です。ゼブラーマンは、“願えば夢はかなう”というテーマの下に作られました。この続編は白黒つけることをテーマに、原点に戻ります。人間は白黒つけるのが本当に大事なんですか、ってね。人間としてのゼブラーマンが、次に考えなければいけないことまで投げかけています。普通のヒーロー物は決着つけるだけで終わって、次のことは考えないでしょう。原点に戻って解決方法を考えるなんて、“ゼブラーマン(らしさが)出たな”みたいな感じでしょう(笑)。

――では、3作目があるということですね。

 ないです。多分ない。
続編でやりきっちゃってますから。クドカンも三池監督も白黒つける、決着をつけるという感じで挑みましたからね。俺自身も前回から完全燃焼しているわけです。次は多分ないでしょう……って1作目の時も言いました(笑)。

――哀川さんのアイディアが活かされている面は、ありましたか?

 そんなにないですね。演じる時に勝手に動くだけで、アイディアは最初から監督の頭の中にある。それに従って自分はどうすればいいか、試行錯誤で芝居するだけです。

――好きなシーンは?

 “白黒つけるぜ!”をやりとりするシーン。(力をこめて)いいね、あのシーンは!ゼブラクイーンには、市川新市の最大の秘密が隠されているので、お楽しみに。

――去年がデビュー25周年。今後の抱負を教えてください。

 とりあえず60歳までは走るつもりです。
一気に25~26経ちましたからね。あと10年、11年は走ろうかなと思っていますよ。監督は1回経験したけれど、2度とやるもんじゃない。俳優が100倍楽ですよ、本当に。優秀な監督はいっぱいいるので、俳優でがんばります!下手な鉄砲は撃ちません(笑)。60歳過ぎたら、趣味に走ろうかな。カブトムシざんまい、釣りざんまいなんていいでしょう。沖縄にはどうしても捕りたいマルバネクワガタがいるので、沖縄に住むのも良さそうだね。(取材・文責:饒波貴子)

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『ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲-』
主演X脚本X監督は、もちろん哀川翔X宮藤官九郎X三池崇史。日本映画界にとってなくてはならない存在の超多忙な3人が、哀川翔デビュー25周年に再結集。ついに!まさか!奇跡!の続編製作が決定し、哀川翔が再び“ゼブラーマン”に挑むことになった!

舞台は西暦2025年、東京=ゼブラシティ。ゼブラタイム、ゼブラタワー、謎の遠心分離機、さらにはゼブラクイーン、白ゼブラ、黒ゼブラなど、4体のゼブラーマンが入り乱れ、暴走進化する“ゼブラーマンワールド”!いったい何が起こるのか?あらゆる想像を凌駕するのが『ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲-』だ。
(2010年5月1日より全国ロードショー)

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