作業は2009年6月13日に始まり、陶俑114件が見つかった。兵俑の身長は1.8メートルから2メートル。完全な形で残っているものはなかったが、保存状態がよく、あざやかな彩色が確認できるものが多かった。髪の色は黒か褐色、顔などの彩色も1体ごとに異なるなど、当時の精密な職人技が分かるという。甲冑(かっちゅう)も、身分に応じてさまざな形態。衣服は赤や紫が多い。甲冑の部品部分も微妙な色が使い分けられている。
一方、今回の発掘では、一部の発掘品に高温にさらされた痕跡が、明確に残っていた。調査員の多くは人為的に燃やされたと考えている。秦を滅ぼした項羽は、都や陵墓にある建造物を燃やしたとの記録があり、「項羽の破壊行為の跡」と考える人がある。
ただし、坑内の有機物から発生したメタンガスなどが自然燃焼した可能性や、埋葬時に儀式として火をつけた可能性も完全には否定できず、今後の詳しい研究が必要という。(編集担当:如月隼人)
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