2000年以上前の将兵の間に、「茶髪」が流行していたのか?――。秦の始皇帝(在位:紀元前246年-同210年)の陵墓から、髪の毛を茶色に染めた兵俑(陶製の人)が大量に見つかったことで、中国ではこんな関心が広まった。


 彩色兵俑が見つかったのは、始皇帝陵墓の「秦俑1号坑」。2009年6月に始まった第3回発掘調査が、このほど終了した。保存状態が良好で、あざやかな彩色が確認できる兵俑が、大量に見つかった。髪の毛が茶色であるものも多かったため、多くのメディアが「秦朝大兵愛染髪?(秦朝の兵は、髪を染めるのが好きだった?)」といった見出しで報じた。

 髪だけでなく、顔や甲冑(かっちゅう)、衣服もそれぞれ異なる彩色が施され、当時の職人の入念な仕事ぶりが分かるという。

 一部の発掘品に高温にさらされた痕跡が残っていたことも、注目されている。人為的に燃やされたとの見方が強く、秦を滅ぼした項羽が、都や陵墓の建造物を燃やしたとの記録があることから、「項羽の破壊行為の跡」と考える専門家もいる。

 もうひとつ、「秦俑1号坑」で発掘された兵俑の身長が1.8-2メートルであることも、注目を集めている。兵俑は極めてリアルなつくりが特徴のひとつでもあるが、1.8メートルといえば、現代の中国人と比べても相当な大男。「身代の将兵の体格のよさを反映したものか、表現上の理由から故意に大きく作ったのか」と、注目を集めている。(編集担当:如月隼人)

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