彩色兵俑が見つかったのは、始皇帝陵墓の「秦俑1号坑」。2009年6月に始まった第3回発掘調査が、このほど終了した。保存状態が良好で、あざやかな彩色が確認できる兵俑が、大量に見つかった。髪の毛が茶色であるものも多かったため、多くのメディアが「秦朝大兵愛染髪?(秦朝の兵は、髪を染めるのが好きだった?)」といった見出しで報じた。
髪だけでなく、顔や甲冑(かっちゅう)、衣服もそれぞれ異なる彩色が施され、当時の職人の入念な仕事ぶりが分かるという。
一部の発掘品に高温にさらされた痕跡が残っていたことも、注目されている。人為的に燃やされたとの見方が強く、秦を滅ぼした項羽が、都や陵墓の建造物を燃やしたとの記録があることから、「項羽の破壊行為の跡」と考える専門家もいる。
もうひとつ、「秦俑1号坑」で発掘された兵俑の身長が1.8-2メートルであることも、注目を集めている。兵俑は極めてリアルなつくりが特徴のひとつでもあるが、1.8メートルといえば、現代の中国人と比べても相当な大男。「身代の将兵の体格のよさを反映したものか、表現上の理由から故意に大きく作ったのか」と、注目を集めている。(編集担当:如月隼人)
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