日本と聞いて、「経済大国」「企業」などを思い浮かべる中国人が減少している一方で、「家電」「自動車」などの具体的な“製品”へのイメージは堅調に増えている。もう一つ増加している群として、アニメ、ゲーム、ファッションといったポップカルチャーが挙げられる。
年齢層として20代の回答が圧倒的に多く、若い世代を中心として、日本と聞いて中国人が想起するイメージが確実に変わりつつあることを示している。

 これは、サーチナ総合研究所(上海サーチナ)が毎年1回、定点的に行っている、中国人の日本観及び対日感情に関する調査。日本と聞いて思い浮かべるものについて、2008年から、直近では2010年3月に行った過去3年の調査結果の推移を見てみると、「アニメ」とした人は、2008年には18.15%だったが、2010年には26%近くにまで達した。

 同じく、「漫画」では2008年の10%程度から、2010年には17%に。「ゲーム」は2008年3%程度だったが、2010年には6%程度になっている。「ファッション」はもともと回答数があまり多くないものの、2008年には1%を切っていたが、2010年には3%を大きく上回った。若い世代を中心に日本のファッション誌に対する人気は高く、「雑誌に載っていて、買いたい服があっても、中国には109がないから買えない」(上海女性)などの声が聞かれる。

 いずれの項目でも、30代、40代と比べて、20代の回答が多く、30代、40代のそれぞれの数値は、それぞれの平均値を下回っている。まだ10代に対しての調査は行っていないが、10代においてはもっと顕著な数字があらわれる可能性が高い。サーチナ総合研究所では、10代に関して、別途調査を企画している。経済成長を遂げた後に生まれ育った世代としての90後(1990年代生まれ)の感性もまた別のものの可能性も高い。

 世代別で見てみると、「経済大国」「企業」などを思い浮かべる中国人は、年齢が高くなればなるほど多くなる。
「家電」「自動車」での年齢での差異はあまり見られない。今の若い世代は日本を「経済大国」「企業」などと想起するのではなく、ポップカルチャーの発信源としての日本、というとらえ方が主流になりつつあるといえる。(編集担当:鈴木義純)

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