北京ダックといえば、中国国外でも知られる高級料理だ。下処理をしたアヒルをあぶる。
垂れ落ちた油を「経営の足しに」と業者に売る飲食店も多い。ところが、食用として再利用される「北京ダックの油」には、発がん性があるとの指摘があり、北京市の当局も調査する方針を固めた。チャイナネットが13日付で報じた。

 食用として流通する「北京ダックの油」は、小規模な店舗で売られるものが多いという。ヒーターつきの展示ケース内でアヒルから垂れた油などを集める。北京ダック特有の香りはしているが、黒くにごっている。小さな店でも1カ月当たり600キログラム程度を回収。1キログラム当たり6元で業者に売るので、店に3600元(約4万7000円)をもたらすなど、経営者にとってはありがたい収入になるという。

 しかし、酸化が進み不純物も多いため、再利用される「北京ダックの油」には、発がん性がある疑いがある。食用油にかんする法律でも、「廃棄油」と定められ、食用に再加工したり販売することは認められていない。

 北京市工商局の豊台区分局は13日までに、「北京ダックの油」の利用について、調査を進めることを決めた。

 北京市を代表する北京ダック・レストランの全聚徳と便宜坊はいずれも「資格を持つ廃品回収業者に扱わせている。
(再利用後に食品として)市場に出回ることはない」、「指定した化学工業会社が回収している。主にせっけんの材料になっている」など、的確に処理していると説明した。

 全聚徳と便宜坊は19世紀半ばに創業した老舗中に老舗だが現在は企業化してレストランをチェーン展開している。(編集担当:如月隼人)

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