食用として流通する「北京ダックの油」は、小規模な店舗で売られるものが多いという。ヒーターつきの展示ケース内でアヒルから垂れた油などを集める。北京ダック特有の香りはしているが、黒くにごっている。小さな店でも1カ月当たり600キログラム程度を回収。1キログラム当たり6元で業者に売るので、店に3600元(約4万7000円)をもたらすなど、経営者にとってはありがたい収入になるという。
しかし、酸化が進み不純物も多いため、再利用される「北京ダックの油」には、発がん性がある疑いがある。食用油にかんする法律でも、「廃棄油」と定められ、食用に再加工したり販売することは認められていない。
北京市工商局の豊台区分局は13日までに、「北京ダックの油」の利用について、調査を進めることを決めた。
北京市を代表する北京ダック・レストランの全聚徳と便宜坊はいずれも「資格を持つ廃品回収業者に扱わせている。
全聚徳と便宜坊は19世紀半ばに創業した老舗中に老舗だが現在は企業化してレストランをチェーン展開している。(編集担当:如月隼人)
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