李志明さんは今年74歳。1950年に14歳で染物工場で働きはじめた。異常が生じたのは1974年。それまで1日に6-7時間の睡眠をとっていたが、足りなくなった。8-9時間寝ても、勤務時にぼんやりとしてしまう。それまでは真面目な働きぶりで、「先進工作者」として表彰されたこともあるので、工場側は年金支給などで有利になる「病気による退職」の手続きをしてくれたという。
睡眠時間と起きている時間が長くなる「奇病」は退職後も進行し、1977年10月からは、いったん眠ると約半年、起きると約半年という生活が続いている。
1983年には病院に治療を求めたが、改善はしなかった。ただし、身体機能はすべて正常だったという。
妻の黄鳳仙さんによると、「睡眠期間中」は、食事とトイレの時だけ活動する。
半年の「覚醒」が続く時期も大変だ。当初は夜中、テレビやラジオをつけていたが、長時間にわたって使い続けたため、次々に壊れてしまった。現在は、昼間は農作業をして、夜中は家の周りを散歩している。ただし、たまにではあるが2時間程度、眠ることがあるという。
内江市第1人民医院は21日、「異常な生活リズム」の問題を解明するため、李さん宅に精神心理衛生の専門家を派遣した。李さんは、抑鬱(よくうつ)や情緒低下が出るとともに「眠ること」だけを考えるようになり、「睡眠期」に入る。逆に「覚醒期」には、情緒の高まりや興奮がみられることから、双極性障害(躁うつ病)と関係しているとみられるという。
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◆解説◆
「日暮熟睡男(ひぐらし・ねるお)」は漫画・アニメの人気作『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に登場する警察官。夏季五輪大会がある4年に1度しか目をさまさないが、近未来を予知したり念力などの超能力で、騒ぎを巻き起こす。弟は4年に1度しか眠らない「日暮起男(ひぐらし・おきお)」。
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