香港の都市計画を管轄する香港特別行政区政府規画署がこのほど発表した最新調査によると、2009年に中国本土―香港間の「越境」通勤者は約4万4600人を記録し、1999年の約7500人から約6倍に膨れ上がっていることが分かった。新華網が伝えた。


 同署が指す「越境」通勤とは主に、広東省深セン市などの近隣の都市から香港行政特別区までの間を通勤で往復することを指し、往来には、本土在住者だと「中華人民共和国往来港澳通行証」の携帯や、F(訪問)ビザ1次、数次の取得、香港在住者だと中国政府が発行する「港澳同胞回郷証(回郷証)」というIDの取得がそれぞれ必要になるという。

 香港特別行政区政府規画署が発表した「2009年越境旅運統計調査」によると、多くの人が通勤、通学、公務、レジャー、帰省などで本土―香港間を頻繁に往来しており、その数は1999年の36万人から、2009年には70万人にまで達した。また、“越境”通勤者数も、1999年の7500人から2003年の3万人を経て、2009年には4万4600人に達するなど、10年間で約6倍に膨れ上がった。

 “越境”通勤者の増加の背景については、通関の簡素化にともなう交通の利便性向上や、深セン市における経済発展の見通しの良さなどが挙げられる。また、自家用車や公共バスの交通量も増加しており、2007年の毎日平均1万4100台から、昨年には約18%増の1万6700台になったとの報告もある。

 このほか、調査では、本土―香港間を往復する「通勤族」のうち、深セン市を主とする本土在住者は2万4200人、香港在住者は2万400人。「通勤族」は主に、会社経営者や行政職員、技術者など高所得の人が多いとされ、割合では本土在住者で23.4%、香港在住者で42.5%だった。(編集担当:金田知子)

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