中国消費者協会は30日、下水や屎尿(しにょう)溜めの近くで点火した爆竹による引火で、メタンガスの爆発事故が多発しているとして、「自己と他人の安全のために、春節(旧正月)期間、爆竹をするときには屎尿溜めのふたなどから離れた場所ですること」、「児童が爆竹をする場合、決められた場所でするよう、大人が指導すること」などと、注意を呼びかけた。

 中国消費者協会は、爆竹による屎尿溜めのメタンガス爆発事故として、以下の実例を紹介した。
過去の事例では、屎尿溜めや下水から漏れていたメタンガスに引火した事故だけでなく、爆竹を屎尿溜めに投げ込んだことで、爆発が発生した例も目立つ。

・2003年1月30日:
 北京市大興区で、爆竹の火が屎尿溜め内のメタンガスに引火・爆発。吹き飛んだ屎尿溜めのふたが当った児童が死亡した。

・2005年2月3日:
 浙江省杭州市内で児童2人が爆竹で遊んでいたところ、下水から漏れたメタンガスに引火・爆発。下水のふたと道路の一部が吹き飛んだ。児童にけがはなかった。

・2005年2月5日:
 遼寧省丹東市で、爆竹を屎尿溜めに投げ込んだために、メタンガスに引火。近くにいた児童1人が負傷した。

・20071月22日:
 遼寧省盤錦市で、男児1人が爆竹で遊んでいたところ、屎尿溜めから漏れたメタンガスに引火・爆発・男児が重傷を負った。

・2007年11月15日:
 山西省太原市で、結婚を祝う爆竹を鳴らしたところ、下水から漏れたとみられるガスに引火・爆発。3人が死亡し、7人が負傷した。

・2009年1月2日:
 男児が点火した爆竹を屎尿溜めに投げ込んだことで、メタンガスが爆発。
死傷者は出なかった。

・2009年1月9日:
 吉林省吉林市で爆竹の日が汚水溜め内のメタンガスに引火・爆発。汚水溜めのふたが吹き飛び、児童2人が負傷した。

・2009年1月21日:
 内モンゴル自治区フフホト(呼和浩特市)で13歳の男児が爆竹で遊んでいたところ、汚水溜め内のメタンガスに引火。吹き飛んだ汚水溜めのふたが当り、男児は死亡した。

・2010年2月22日:
 重慶市で児童が下水のマンホール近くで爆竹に点火したところ、下水内のメタンガスに引火。2カ所でマンホールのふたが吹き飛び、女性1人が負傷した。

・2010年2月28日:
 重慶市で下水内で爆発が発生し、5カ所でマンホールのふたが吹き飛んだ。マンホールのふたが通行人は乗用車に当り、負傷者が出た。爆発の直前に「男の子が点火した爆竹を下水に投げ入れた」との目撃者がおり、消防は爆竹の火がメタンガスに引火した疑いがあるとの見方を示した。

・2010年12月20日:
 浙江省嘉興市で、児童数人が爆竹に点火して下水に投げ込んだ。全員で様子を見ていたところ爆発し、負傷者が出た。


 中国消費者協会は、爆竹の火が下水道などのメタンガスに引火して爆発する事故げ増えていると指摘。関係当局にも、下水や屎尿溜め、ガス管のそばで爆竹に点火しないよう表示を増やすなどで市民に忠告し、春節をつつがなく楽しくすごせるよう努めてほしいと求めた。(編集担当:如月隼人)

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