爆発が発生したのは26日午後6時ごろ。幅数メートルの路地で、両側の民家壁にまで汚物は飛び散り、路面も「汚物の川」状態になった。地区管理者は消防に出動を要請。放水してもらい、一帯を清掃した。現場は「天まで立ち上る臭気」だったという。
その場に居合わせた廃品回収業者が爆発を目撃した。屎尿だめからのくみ取り作業が始まった直後にバキュームカーのパイプが爆裂、汚物が四方八方に噴出したという。廃品回収業者は「せっかく集めた廃品が、汚物まみれになった。家電製品もあったのに、もう売れない」と怒った。
同業者によると、バキュームカーの運転手は、自分が持ち込んだホースなども路上に放置して、車を発進させて去った。
その後の調べで、周辺にくみ取りを依頼した住民はいなかったことが分かった。
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◆解説◆
中国政府は、農村部における屎尿を利用したメタンガス発生設備の普及に力を入れている。住民への燃料供給用で◆(二酸化炭素より温室効果がはるかに大きい)メタンの処理◆農村部住民の生活向上◆樹木伐採(ばっさい)の抑制――など、低予算で多方面にわたる効果を得られるからだ。「簡単な施設だが、安全面も考えている。いいかげんな古い施設が多い都市部よりも危険は少ない」との見方もある。(編集担当:如月隼人)
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