薛副主席によると、中国における現在のスポーツ体制は未整備で、「金メダル至上主義」をよしとし、好結果を残すために手段を選ばない風潮が強いと指摘する。薛副主席は、「年齢詐称は、国からの援助金を得たい各地の体育局をはじめ、“常勝”が契約条件のチーム専属コーチ、わが子の出世を夢見て必死な選手の保護者、選手自身らの間で横行している」と説明し、「万が一」問題が発覚しても、悪びれる様子を示さない人がいることにも懸念を示した。
年齢詐称が行われる具体的な状況については、◆公安機関が身分証を発行する段階で裏金を渡して証明書を偽造する◆各種証明書の偽造を請け負う専門業者を利用する◆骨年齢の検査を「替え玉」に受けさせる◆骨年齢の検査結果をすりかえる◆骨年齢の合格証にある名前をかたって選手登録し、公式試合への出場前に本名に戻す――などの実例を挙げ、中国サッカー協会が「疑惑選手」の「ふるい分け」に苦慮している現状を伝えた。(編集担当:青田三知)
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