中国では吉林省など東北3省を中心に、少数民族に指定されている朝鮮族が住んでいる。北京など中国北部の都市に進出して飲食店を開く人も多く、朝鮮族の食べ物である「朝鮮冷麺」、「朝鮮泡菜(キムチ)」などは、朝鮮族以外の人々にも親しまれている。
「添加物のせいで燃え上がるのでは」と疑問の声が出たのは、スーパーで売られている「しっとりタイプ」の麺。「水分があるのに簡単に燃えるのはおかしい」と、不安の声が高まった。
新京報の記者が北京市内のカルフールで買い求めて実験した。ライターの火で20秒ほどあぶったところ燃え始め、異臭も発生したという。カルフール店員は「アルコールなど食品添加物は一切、加えていない。その日の午前5時に作られた品で、賞味期間は1日だ」と説明した。
一方、製麺会社の幹部は、生めんタイプの製品には、季節などによって異なるが、10%程度のアルコール(エタノール)を加えることが一般的と説明した。「殺菌作用があるためで、人体には無害」、「北京市内のスーパーで売られている生麺の大部分には、アルコールが加えられているはずだ」という。
「生麺でも火であぶれば、水分が飛んで燃え出す」、「異臭は、麺に含まれるたんぱく質がこげたため」と、生麺が燃えても心配ないと説明する専門家もいるが、市民の間では不安の声が高まった。
カルフールに買い物に来ていた女性は「インターネットの動画で見たが、麺がビニールのように燃え上がるのでびっくりした。行政は調査を行って、真相を早く教えてほしい」と述べた。北京市内にある方荘市場の麺売り場担当者によると、24日には「この麺に添加物は入っているのか」と尋ねる買い物客が急増したという。
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◆解説◆
専門家の説明どおり、「しっとりタイプ」の麺でもライターなどの炎で20秒程度あぶれば、着火しておかしくはない。細い麺であればあるほど水分が飛びやすく、残った澱粉(でんぷん)やたんぱく質が燃え出す。
それでも不安におびえる消費者が多いのは、相次ぐ事件や事故で、「食の安全」に対する信用が失墜しているからだ。日本でも食品の偽装事件などが相次ぎ、食に対する安心感が低落したが、「国内で作られたものならば、少々食べただけで健康被害がでることは、あまり心配しないでよいだろう」と考える人が多い。中国の場合には、「国産品だからこそ危ない。何が起こるか分からない」との切実感が強い。(編集担当:如月隼人)
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