貴州省で働いているこの男性は昨年11月に縫い針を使って衣服を縫っていたところ倒れてきた物の下敷きとなり、持っていた針が胸に刺さり抜けなくなってしまった。酒を飲んでいたこともあり特に痛みを感じなかったために病院にもいかずに放置していたという。今年の旧正月前に里帰りした際、話を聞いた父親に連れられて地元の病院に行ってみると、縫い針が胸に留まっていることが判明、手術を行なうこととなった。
しかし、切開してみると縫い針の一部はすでに心臓に刺さっていて手に負えないということでそのまま縫合し、別の病院を紹介された。そして2月21日に別の病院の心臓外科で再検査したところ、針が心臓から行方をくらましていた。
体をX線でくまなく検査したところ、行方不明になっていた縫い針は動脈によって大腿部まで運ばれ、そこで血管を破って筋肉に突き刺さっているのが発見された。大動脈に刺さる危険性のために胸を切開するまで切迫した状況から一転、3カ月も体内に留まっていた縫い針は、トゲを抜くような簡単な処置で摘出されることとなった。
処置をした医師は「こんなことは世界でも非常にまれだろう」と驚きを隠せない様子。そして針を抜いてもらった男性本人もしきりに「俺は幸運だ、実に幸運だ」と繰り返したという。(編集担当:柳川俊之)
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