東日本大震災後、中国でも多くのメディアが震災後の学校について報道し、地震で倒壊しなかっただけでなく被災者の避難所になっていることを伝えた。震災後日本を訪れたというメディア関係者の林楚方氏が、地震でも倒れない学校を目の当たりにして驚いたと述べた。


 筆者はまず、津波によって多くの被害者を出した石巻市大川小学校に向かった。石碑の前で手を合わせてからふと見上げると、周りには1件の家も建っていないことに気が付いたという。同行した筆者の友人によると、すべて津波で流されたのだった。ほかにも、折り重なってつぶれた家や道路に横たわる船舶などを見た筆者は、地震と津波によっても倒壊しない学校を見て、「日本人の言う『すべてが倒れても学校は倒れない』という言葉の意味が分かった」という。

 筆者は女川町で廃虚のなかから、ある幼稚園のお知らせの紙を拾った。紙にあった日付は昭和60年、漢字を拾い読みしただけだというが、「避難訓練」という言葉が目についたと語り、「日本では幼稚園から各種の避難訓練を非常に真剣に行い、小学校、中学校でも行うのだ」と紹介、「これが日本人の恐ろしい所であり、秩序正しい理由でもあるのだ」と語った。


 筆者は2001年からの10年間で、日本ではM6.5以上の地震が18回も発生しているにもかかわらず、小中学校が倒壊して死亡した人は1人もいなかったこと、04年の新潟中越地震においても、被災した250以上の学校は1校も倒壊せず、もっとも被害の大きかった地域の学校でも柱に亀裂が走っただけだったことを紹介した。

 筆者は、吉田茂元首相の著作にある「どの村でももっとも良い建築物は小学校の校舎」との一文や、文部省の校舎補強に関する文章にある「学校は日本の未来を担う子供たちの命を預ける場所」という一文を紹介し、「日本人は国が多事多難であれば、国民が奮起して国の興隆をもたらすとの論理をもち、彼らは今後、津波の再来に備えることに考えを巡らすはずだ」と述べた。(編集担当:及川源十郎)

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