23日夜に浙江省温州市内で発生した高速鉄道車両の追突事故で、現場では24日、重機で土を掘り車両を埋める作業が始まった(写真)。中国のインターネットでは「事故原因を隠すための“埋葬”ではないか」との声が広まった。
上海鉄道局の関係者は「事故原因の究明には役立たない。もはや、くず鉄だ」などと話した。捜狐などが報じた。

■「中国高速鉄道、温州で衝突事故(2011年)」に関する写真

 重機約10台が24早朝、現場に到着した。当初は事故車両をどけて、下敷きになっている可能性がある遺体や証拠品を捜索するとの見方もあったが、車両に手をつけずそばに大きな穴を掘り始めた。作業員は「上部が手配した。車両を埋める」と説明した。

 インターネットでは、「事故原因を隠すための“埋葬”ではないか」との声が広まった。

 上海鉄道局の技術部門の責任者は「事故原因は、回収したブラックボックスや、鉄道施設に残されているデータで解明できる」と説明。「事故車両は、原因解明の助けにならない。もはや、くず鉄だ。整理するのは、事故処理では普通のことだ」という。


 中国政府・鉄道部の王勇平報道官は24日の記者会見で、「現場は非常に複雑な状況だ。坂の下に泥地があり、作業を難しくしている。車両の一部を埋めて土でふたをして、危険を取り除く」と説明した。(編集担当:如月隼人)

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