米シカゴトリビューン紙によると、中国とインドの労働者は仮病での欠勤にもっとも長(た)けていることが分かったという。中国新聞網が報じた。


 有給休暇の多い国家では、労働者の仮病による欠勤は少ないが、有給休暇が少ない国家では病気といつわった欠勤は深刻だという。中国が世界で有給休暇最少の国家であるということと、中国労働者が仮病で欠勤するということは表裏一体の事実なのだ。

 中国青年報の調査によれば、中国の労働者の半数以上が有給休暇を取ったことがないことが明らかになっている。一方、オランダでは仕事のストレスが生産効率に影響するため、雇用者は工員の休暇要求に寛大だという。しかし、中国では仕事のストレスの大小による工員の精神状態などを重視せず、多くの企業は経済効率のみを重視して休暇を歓迎しない。

 労働と休暇は労働者の基本的人権だが、中国では長期間にわたって無視されてきた。中国で有給休暇が実現されない理由は「経済効率のためには労働者の休暇まで考慮できない」が70.6%。「労働者の権利保持意識と権利保持能力の不足」が52.7%。「労働力過剰の状況で休暇を要求することによる失業を恐れる」が48.5%だとなっている。これらから、「仮病による欠勤にたける」のは、公民権と社会福利の欠乏の証明とも言えるだろう。

 中国の『労働法』・『職工有給休暇条例』には、明確に有給休暇が規定されているが、大まかな規定しかなく、権利をいかに守るかの詳細な規定はない。中国社会科学院の唐均研究員は、「休暇件と生存権に矛盾が生じる時、労働者は明らかに弱者となる。
中国労働者の仮病による欠勤は現実に対する辛辣(しんらつ)な風刺だと言える」と指摘している。(編集担当:及川源十郎)

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