マクドナルドの「M」ロゴをひっくり返したようなデザインの商標権を巡って、同社と商標登録者との係争が約8年続いている。中国新聞網は17日、これまでの経緯と双方の主張を紹介する記事を掲載した。


 問題となっているのは、2001年に中国国内企業がレストランなどサービスのために登録した「ワンダフル」の商標。赤地にマクドナルドの「M」を回転させたような黄色の「W」をロゴに採用したことから「W商標」と呼ばれている。

 マクドナルドは03年に「M」ロゴと酷似しているとして商標局に登録取り消しを求めたが、却下された。商標局の裁定を不服としたマクドナルドは再審議を要求、商標評定委員会は10年に「レストラン、カフェなど飲食サービスにおける商標登録を取り消すが、その他サービスの登録は維持」との裁定を出した。同社はなおも不服として、「W」商標の全面取り消しを求めて訴訟を起こした。

 マクドナルド側は「W」商標を「悪意ある登録」とし、01年時点で中国国内の「有名商標」になっていたことを主張。これに対し、商標評定委員会は「有名商標の公的証拠がない」「飲食以外の分野での使用は、消費者の誤解を招かない」と反論している。

 中国企業側は「『M』はゲートを表しているというが、『W』は容器だ。何の関係があるのか」「『M』を回転させたと言いがかりをつけて『W』を禁止して、業界独占をたくらんでいる」と一歩も譲らぬ構えだ。

 訴訟は後日判決が言い渡されることになっており、長期化した商標問題がどのような決着を見るのか、注目が集まりそうだ。(編集担当:柳川俊之)

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