中国・河北省の万里の長城で日本人観光客4人が遭難、3人が死亡した事故で、同行した中国人ガイドが当時の状況を語るとともに、犠牲者に謝罪した。中国新聞社が伝えた。


 救助されて同省懐来県の病院で治療を受けている中国人ガイドの明平銘さんは中国新聞社のインタビューに対して、遭難当時の様子を克明に語った。

 明さんは、日本人観光客4人と中国人観光客1人とともに現地時間3日午前8時に北京市の門頭溝から登山を開始し、昼ごろに同県の瑞雲観にある長城に到着した。しかし、午後1時ごろから降り始めた大雪で周囲はあっという間に白くなり、身動きが取れない状態に。日本人男性の衰弱が激しかったために、中国人観光客が先に下山し、救助を求めた。

 夜になると雪はさらに強くなり、救助隊を待つ間、一行は寄り添って暖を取っていたが、男性の呼吸が停止。心肺蘇生を試みるも及ばなかったという。夜が明けても救助が来ないことに業を煮やした明さんは4日午前8時ごろに自力での下山を決意、昼ごろに村に到着する途中で救助隊と遭遇した。救助隊は遭難者の居場所が特定できず、捜索が難航していたという。

 明さんは「3日に大雪が降るのは知っていたが、夜から降ると思っていた。まさか昼に急に降り出すとは思わなかった」と語るとともに、3人の命が失われたことに対して深い謝罪の意を示した。(編集担当:柳川俊之)(万里の長城に降雪。写真はイメージ。
提供:CNSPHOTO)
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