中国・貴州省で16日、9歳から13歳の少年5人が街頭のごみ箱の中で死亡しているのが発見された。住む家を持たないストリートチルドレンの問題が改めて関心を高め、中国新聞社など中国メディアはストリートチルドレンが全国で15万人以上いるなどの解説報道を始めた。


 中国全国のストリートチルドレンは15万人を超えたとされる。広東省の広州児童保護センターは同市内で年間1000人以上のストリートチルドレンを保護しているが、同センターが広州医学院と共同で実施した調査によると、ストリートチルドレンになった原因でもっとも多いのは「家庭における問題」で、約48%だった。

 「家庭における問題」はさらに「貧困」、「両親の離婚」、「両親の不仲」、「虐待」に分類できる。「家庭における問題」以外の理由でストリートチルドレンになった児童は22%だった。「仕事をして金を稼ぎたい」、「世間を見てみたい」などの動機で家を出たという。

 約1割の児童は「道に迷った」、「誘拐された」などのきっかけで家に帰れなくなり、ストリートチルドレンとして生活していた。

 調査対象になったストリートチルドレンの年齢はおおむね14、15歳。知能は正常だったが、半数以上は小学校中学年程度の学力しかなかった。読み書きがまったくできない児童もいた。

 広州児童保護センターの徐福憲センター長によると、保護した児童には勉強を教えているが、「普通の学校よりも、相当にレベルが低い」現状であり、児童を家族のもとに返した後は「勉強を続けているかどうか、とても心配だ」という。

 また、長期間にわたり同センターで生活をつづけざるをえない児童もおり、「16歳以上になった児童もいる。なんの専門的技能も身につけることができていない。
今後、社会人になった時に、生きていけるのか」と心を痛めているという。(編集担当:如月隼人)
編集部おすすめ