中国では最近、マヤ暦に基づき2012年12月21日を世界の終わりとする「マヤの世界終末論」の話題が流行している。
光明網によると、陝西省で最近、「邪教組織」(カルト教団)である「全能神」の信者が、このマヤの世界終末論を利用して、非合法の集会を開き、「世界の終わり」などのデマを流している。
「全能神」教は、「東方閃電」「実際神」とも呼ばれる。創始者は別のキリスト系新興教団の幹部だった趙維山氏。1990年代に河南省に組織が出現し、陝西省、内モンゴル自治区、山西省、新疆ウイグル自治区、寧夏回族自治区、甘粛省など各地に広まった。
キリストが東洋女性の姿で生まれ変わり、中国に降臨し、人類に審判を下すと称し、「世界の終わりがまもなくやって来る」「『全能神』を信じる者のみが救われる」と吹聴している。
「全能神」教はさらに、「今の中国は没落した帝王の大家族で、大きな赤い龍(大紅龍)に支配されている」という。大きな赤い龍とはむろん、中国共産党を指す。「神の指揮のもと、大きな赤い龍と決戦せよ。これを滅ぼし、全能神が統治する国家を建設するのだ」と信者を扇動するなど、政治的な色彩を帯びている。
中国政府・国家宗教事務局は、「聖書を曲解した教義により、キリスト教の名を借りて違法活動に従事している」として、早くから取り締まり対象としている。
ネット上では、河南省で8日、1000人近い「全能神」信者がデモを行い、地元政府と派出所を包囲したという話も伝えられている。
マヤ暦が世界の終わりとする12月21日が近づくにつれ、各地の「全能神」組織の破壊活動も活発化するとみて、中国当局は取り締まりを厳しくしている。記事は読者に「『全能神』の違法活動を見かけたら、すぐに110番通報するよう」呼びかけている。(編集担当:阪本佳代)