赤く染まったのは河南省北部の新郷市を流れる西孟姜女河の約2キロメートル。地元当局は赤く染まった水をくみ出し、排水処理施設に運び入れて処理している。
今のところ重金属などは検出されておらず、生活排水による汚染の特徴を示しているという。
孟姜女の物語は語り継がれるだけでなく、民謡の素材としても広く知られている。「涙の川」が「血の色に染まった」となれば、不吉さを感じ、中国全体にのしかかる環境汚染の問題に改めて恐怖を感じる人も多いだろう。孟姜女は現代人に、何を語ろうとしているのだろうか。
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◆解説◆
孟姜女は始皇帝(紀元前259-同210年)の時代の女性とされる。夫が万里の長城建設に徴用されてしまい、後を追った。寒い冬は越せないと思い、厚手の服を持っていったとの言い方もある。
長城建設の現場に行き、夫はすでに死んだと知らされた。孟姜女が号泣すると、涙が長城を崩し、2条の川――孟姜女河と西孟姜女河――になった。