中国・陝西省西安市の碑林区人民法院(地裁)が5日までに、2012年9月15日に日系車を襲い破壊した上、乗っていた車主に障害の残る重傷を負わせたとして起訴されていた被告に、最高で懲役10年の判決を言い渡した。中国新聞社などが報じた。


 訴えられた蔡洋被告らは12年9月15日午後1時ごろ、西安市内でオートバイのU字ロックを盗み、日系車両の破壊活動を行った。午後3時40分ごろには李建利さんが運転していたトヨタ・カローラを襲撃。フロントガラスを割るなどし、破壊行動を止めようとした李の頭をレンガで殴るなどして重傷を負わせた。

 蔡被告と共に暴力行為を行った建奎被告は犯行の翌日になり、自ら警察に出頭したという。碑林区人民法院は蔡洋被告に故意傷害罪と騒乱罪で懲役10年を、建被告には懲役1年の刑を言い渡した。蔡被告には、被害者に対する補償金25万8860元(約432万6000円)の支払いも命じた。

 碑林区人民法院は、12年9月15日に発生した反日騒乱にともなって発生したその他の日系車襲撃事件についても、被告4人に対しても最大で懲役1年9カ月の刑を言い渡した。警備していた武装警察隊員を襲い負傷させたとして、未成年だった被告1人にも、懲役1年の刑を言い渡した。

 西安市内では雁塔区人民法院、長安区人民法院も日系車を襲撃したとして被告計5人に最大で懲役1年10カ月の刑が言い渡された。

 西安市内では5日までに、日系車襲撃事件に絡んで被告12人に有罪判決が言い渡されたことになる。

 12年9月15日に発生した事件の被害者、李建利さんには重い障害が残った。京華時報などの中国メディアは、「李さんは51歳で、中古車販売仲介会社に勤務していた」、「李さんは歩行も困難になり、言語能力も大きく損なわれた。
自力による日常生活は困難」、「治療を毎日受けている。収入がなくなったために、家庭の生活は困難を極めている」、「李さんの妻は判決に不満で、上告を望んでいる」などと伝えた。

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◆解説◆
 中国で販売されている日本ブランドの自動車のほとんどは、中国で現地生産されたものだ。分類上は「中国国産車」となる。そのため、日本ブランドの自動車であることを示しすために「日系車」の呼称が用いられている。(編集担当:如月隼人)
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